短編夢
□桜ラビリンス
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あたたかい、春
桜も見事に咲いて
わくわくの新学期!になると思ってた…
「くっひひ…桜と可愛い子ちゃんは映えるねぇ」
『……何してんですか』
「見ての通り、写真撮ってるんだよ?」
『そーじゃなくて!先輩卒業したじゃないですか?』
「そんなこともあったね〜」
まるで他人事のように言いながら、ひたすらシャッター音を響かせる
この三つ編み野郎は何がしたいんだ
「心配だったんだよ?俺が卒業したら…部員は1人だからね!今頃寂しくて泣いてるんじゃないかって」
『別に寂しくありません…ってか何で制服まで着てるんです?』
「いいでしょ〜お揃いにしたかったんだよ。私服だとお揃いポイントが減るからね!偶然なことに…今日三つ編みしてるじゃない?」
『こ、これは…先輩を意識したわけではなくっ!!』
「そうかそうか…やっぱり寂しかったんだね」
『だーかーらーっ!』
何を言っても自分のいいように解釈するところも、こんなやりとりも…去年と同じ
すごくウザイはずなのに、どこか安心する
「俺はね、寂しかったんだよ…隣にキミがいないのが」
急に真面目な顔をしたり、元に戻ったり…
「だからさ、付き合っちゃおう…俺たち♪」
ずっと好きだったんだよ?
これからも傍にいて
とか甘い台詞が聞こえる度に…私の頬は桜色を通りすぎて、体温が上昇してく
風で舞う花びらが、私たちを隠して
2人だけの空間に、頭がクラクラした
桜ラビリンス
(そ、そこまで言うなら…付き合わないこともない、ですよ///)
(くひひっ!相変わらずのツンデレちゃんだね。そこも好きだよ?)
(…っ!!)