dear夢1
□『貴方との思い出』
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―――『貴方に会いに行きます。』
魔王城の前に1人の少女が立っていた。
少女は懐かしそうに魔王城を眺め、その後中へと入っていった。
「昴・・・ゴメンネ・・・。今行くから。」
***
「ふぁぁ、今日はコモモも来そうにないし、暇だなぁ。」
魔王城、そこにはコタツでくつろぐ魔王――昴の姿があった。
「あ〜ぁ、何か面白いことないかなぁ?」
コタツに肘をつきながら退屈そうに昴は呟く。
それを聞いた昴の側近である、キャロル、紅は気が気ではなかった。
【・・・あいつが面白いと思うことがろくなことであるはずがない。】
【ですよね〜、僕かなり嫌な予感がしますよ・・・。】
ひそひそと部屋の隅ではなす二人だったが、それはばっちり昴に聞こえていた。
「紅、キャロル・・・お使い頼めるかな?」
そういう昴は怖いくらいの笑顔だった、だが、その後ろにはなんともいえない黒いオーラが見えていた。
「「ギャーーーーー!!」」
今日もいつもの様に魔王城に二人の絶叫が木霊していた。