短編2
□エンドロールが終わっても
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一分。一秒。それでも針が進めば、また一歩、あなたに近づける。だから、待つことなんか淋しくありませんでした。
会いに来ました。
生きてきました。支えにして、支えられて、わたしは生きていました。そう、あなたの為に。馬鹿の一つ覚えみたいに、ひたすらに、あなたが好きでした。
あなたのかたちを映すフィルムと、生身のわたし。
憂いを帯びた、その声に。横顔に。涙が流れました。手が、唇が、身体が、震えました。想いをおさえずにはいられずに。声を殺して泣きながら。
待っていました。好きでした、あいしていました。
ずうーっと、ただそれだけが、全てでした。
もっと、顔、見せてください。あなたの温度を忘れさせないでください。
エンドロールが終わっても、優しい顔が離れない。
…………
公開日記念。2月9日。大切な日のひとつです。公開がずっと待ち遠しくて、そんな日々がとても楽しい毎日でした。えるが大好きです!いまも。
09.2.15 優