短編2

□いちご味
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『いちご味』
〜竜崎とドラッグストアでお買い物〜

「ねぇ竜崎。確か歯磨き粉無かったよね?」
「私は噛むだけで虫歯菌をやっつけるガムをワタリに作ってもらったので歯磨きはしません。よって知りません」
「すごいねワタリさん。ドラえもんだね」
「でも貴女が毎晩歯磨きしてくれるならしても良いです。って言うかしたいです」
「嫌よ。面倒くさい」
「めっ面倒…(泣)」
「んーどれにしようかなあ、同じのは飽きちゃったし…」
「飽きた!?私を捨てるんですか?」
「新しい歯ブラシも買わないと…」
「新しい彼氏って…ヒドいです。そんなに私とのセックスに不満が…ぶつぶつ…」
「竜崎。外でそうゆう事言うの止めてくれる?」
「外が不満だったんですね…分かりました。昨日は貴女の体を気遣って外で出しましたが、今日は中で出します。ですから別れたいなんて言わないで下さい」
竜崎は彼女をぎゅうーっと抱きしめるが、言ってる事の90%が卑猥な内容なのが残念だ。
「ちょ…ちょっと!放して…」
「愛してるんです。別れたくありません」
ここはドラッグストア。
「あーもう!別れるなんて言ってないでしょ…」
「別居も嫌です」
「だーかーらー!竜崎に飽きてないから。歯磨き粉選ぼう?」
「これが良いです」
いきなり素に戻る竜崎。
だが、まだ彼女を放したくないのか竜崎は手を握ったまま言う。
選んだ歯磨き粉は、
「いちご味…」
「美味しそうです…」
「言っとくけどお菓子じゃないんだからね?舐めないでよ?」
「安心して下さい。私が舐めたいと思うのはキャンディとソフトクリームと…」
「その後はものすごく嫌な予想付くから言わなくていい」
「貴女も随分いやらしい事考えてるんですね」
「竜崎に言われたかないわい」
幼児用歯磨き粉をカゴに入れ、ついでに新しい歯ブラシも手に取る。
「ん?歯ブラシ2本買うんですか」
「竜崎の分」
照れ隠しなのか彼女は竜崎の方を見ずにボソッと言う。
そんな彼女に竜崎は頬をゆるませた。
「今夜はいちご味のキスしましょうね」
結局、最後は仲良く手を繋いで帰る竜崎と彼女なのでした。
*****
08.4.28 優

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