あったかポカポカ

□まーちゃんの手
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ぼくは、生まれてまだ1ヶ月も経たない頃、まーちゃんちにもらわれた。
まーちゃんは一人っ娘で、他に姉妹がいなかったから、ぼくが選ばれたんだって。

ぼくもまーちゃんも赤ちゃんで、最初はぼくの方が強かったんだよ。

でも、まーちゃんが二つ足で立ったくらいから
ぼくよりも断然、強くなったんだ。

どんな時だって一緒。

時には幼稚園にだって行ったんだ。
最初はみんなに怖がられたけど、すぐ仲良しになった。




ある日、まーちゃんが泣いてた。
おばーちゃんが死んじゃったって、ぼくの頭をぎゅーって抱きしめて
『大好きだったんだ、優しかったんだ』って

まーちゃんは転んだりケガしたりしても、絶対泣かなかったけど
その時は、おっきな涙が流れてた。

ぼくはその涙が、毛むくじゃらに染み込んでくるのをゆっくり感じた。

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