Let's end it here, with no regrets.

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「だからここが√13だろ?」
「…なんで?」
「ここで三平方使えば一発」
「ああ!気付かなかった…」


あたしがプリントに印刷された図形と複雑な文字列に頭を悩ませていた時、完璧に無視されていた金色の髪を持つ彼もまた何かに悩むように眉間に皺を寄せていた。彼が恨めしそうに睨んでいたのはあたしの頭を悩ませるそのプリントだった。


「…暇ァ」
「教室帰れば?」
「やだ」
「……」


困った奴だ。しかし次の数学という授業は数学が破滅的に苦手なあたしにとってわりと苦痛であり、またわりと重要であった。ごめん仲沢これ宿題だから終わらせなきゃ、とプリントから視線を外さずに早口で告げた。そうしたら、向かい合って座りあたしに数学を教えてくれていた高瀬が暇そうな仲沢を見て口を開いた。


「お前も勉強すれば」
「絶対やだ」
「お前バカだもんな」
「うっさいなァもう!」
「ちなみにこいつもだから」


なんて言って高瀬は(多分笑顔で)あたしを指差した。え、なんですか高瀬くん?…バカですって!?仲沢が花を咲かせたようなきらきらした笑顔であたしのほうを見てきた。あたしはキッと高瀬を睨んだ。


「わー先輩オレと同じっすね!」
「一緒にすんな」
「バカ同士仲良くしましょーよ」
「誰がバカだ」
「ははははは」


ここ一週間で思ったことなんだが、高瀬はあたしと仲沢を見て楽しんでるんじゃないだろうか…。







その笑顔がむかつく…っ!


(実はドSとか)







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