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□ずっと見てました
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今日の日付がわたしの出席番号とたまたま一緒だったってだけで、先生はなにも害も罪もないわたしをクラス全員分のノート運びというなんとも面倒な仕事に指名した。運が悪い!





こんなことをするほどわたしは良い人でもマゾでもない。というかノート多すぎなんですが、前が見えないのですが、すごく重いのですが!誰かヘルプミー。





任された仕事は一応やるけど(偉いでしょー)、悪態くらいついたって文句は出ないよね?だってこんなことやらされたらみんな嫌だよね?うんそうだよね。





たぶんそろそろ階段をくだらなければならない。けど足元が全く見えないため足で探る。わたし変な人かも。

突然、背後から声。



「危なっかしーな、見てらんね」



この声はたぶん同じクラスの泉。
わたしを後ろから抱き込むように支えてくれた…って近い近いっ!顔も近いが身体くっつきすぎ!

ひゃー、わたし今絶対顔赤いよ!



「い、いずみ?」
「おー、ノート半分貸せ」

「わ、あんがと」
「お前一人でこんなん無理だろ」



そう言って、泉は片手でわたしの抱えていたノートの山の上から半分くらいをひょいと取った。



「お前、思ってたよりチビだな」
「うっさい!気にしてんの!」

「ちゃんと食って寝てるか?」
「うん!(そりゃもう余るほどね!)」



泉はそれにしちゃなー、とかなんとか言いながらわたしの頭をぽんぽん叩きやがる。
だってなんか伸びないんだよ!

あこれどこに運ぶの?化学準備室ー、あーあのちょっと陰気臭いとこか、あははまあ確かにちょっと暗いけど。



「しつれーします」
「いねーし」



机の上に全員分のノートをどさっと置いて、あー疲れた、と二人で一息つく。



「いずみあんがとね」
「おー」
「えへへわたし泉のこと好きになったかも」
「!(え、)」









ずっと見てました



(そうなればいいとは思ってたけど、マジかよ……!)
(泉かっこいーなー!)










*泉くん下心見えてます
ノート運びは苦痛。ヒロインは単純。そして身長が伸びないのはわたし。笑


07/11/20

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