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□離さない
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「あーたかや、おかえり」
「……は?」
「何いまさら驚いてんの」
「あーいや、」


久しぶりだからさ、なんか。

部活でクタクタの身体を引きずりながらやっと自分ちに帰って来て部屋のドアを開けたらこれだ。幼なじみだと勝手にベッドに横になって勝手に雑誌を読む権利があるんだな、知らなかったぜバカヤロー、どけ。つかちょっと見えそうなんですが。


「なんか用」
「あっひどい久しぶりなのに」
「いや学校違うだけで五歩歩けばお前ん家だろーが」
「うんまあ、そうだね」
「でなに」
「あのね隆也、わたし絶対フラれたよー…あーあ」
「は?つか何、誰かに告ったの」
「ううんちがう」


マジ意味わかんねェ。
告白してないのにフラれた、ってどういうことだ、未来系?フラれる?


「んで?」
「……よし、かえる!」
「っはぁ!?」


何しに来たんだ、つか何を言いに来たんだこいつは。
オレのベッドからすくっと立ち上がったと思ったらその場で動かない。


「どした」
「え、と…、隆也、さあ…かのじょ、いる、よね?」
「は?いねェよ」
「いないのっ!?」

がば、ってちょ、顔近い近い何こいつ!とりあえず離れろ、心臓がやばいから。
ちょっと会ってなかっただけで相手の恋愛事情はすぐにわからなくなるんだな。まあこいつの場合彼氏とか出来たらすぐ自慢という報告をしてきそうなんだが。


「それが?」
「や、この前隆也可愛いおんなのこに告られてた、から」
「付き合ったかと?」
「…おもっ、た」


なんだこいつ、いつからこんなに可愛くなったんだ。ちょっと見ない間にふざけんなよ。


「でフラれたって何」
「うっ、」
「言えよ」
「お、お邪魔しましたあっ」


ドアを開けて逃げようとするから後ろからドアを閉めてやった、ついでに逃げられないようにきつく抱きしめた。


「あの…た、隆也、さん?帰してはくれないのですか」
「お前が言ったら」
「…バ、カ」
「確かにそうかもな」


だから、すき。





小さく呟く幼なじみがこんなに可愛く見えたのは初めてだ。







離したらどこかに行ってしまいそうだから



(幼なじみで、よかった!)(ずっとずっときみしか見えてないよ)










*意味不明←
幼なじみなのに学校違うふたり、でした

071011(再07/11/16)

 

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