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□屋上青空鑑賞会
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太陽はさんさんと地に光を降り注いでいて、空は青く雲は白い、という物凄くいいお天気。
ついでに風もそこそこ爽やかで気持ちいいし、気温もちょうど良い。素晴らしい陽気ですよもう。
こんな日の5時間目は、
屋上で昼寝に限る!
昼休み、お昼を食べ終わってすぐ、屋上ヘ行って日陰に寝転ぶ。すっごく気持ちが良い。すぐに眠れそうだ。
それから少しして、5時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った。あーやっと校内が静かになる、と思ったら、屋上のドアが開いた。ちらりと見ると同じクラスの泉。
「あーいずみくん?君はなんだ、サボりかい?」
「そだけど、お前もだろ」
「いやいや違うんだなこれが、わたしはね、青空鑑賞会に参加しているのだよいずみくん」
「あーじゃあオレもそれ参加しよっかな、隣い?」
「どーぞ」
泉はわたしの隣に寝転んだ。思い出してみれば、日陰はこの辺しかなかった、だからしょうがないんだな。日が当たると焼けるし暑いし眩しいし。
「なに、数学嫌いなの」
「えなんで、嫌いだけど」
「嫌いなのかよ。5時間目数学だろ」
「あー別に、そうじゃなくて」
「んー?」
「ただ天気が良くて気持ち良さそうってだけー」
「あっそー」
うん泉はー?まあオレもそんなんー、とか適当に会話をしてたら段々と眠気が増して来て、ああいずみくんごめんねおやすみー、って言った瞬間に眠ってしまったんだと思う。だってそれ以降の記憶がないもの。
そもそもわたしはお昼寝をしに来たわけだから、別に泉の相手をしなくてもいいわけだ。はいおやすみなさい。
身体がゆらゆら揺れてる。右側は地面についてるんだけど、左側を誰かが強く揺すってる。あ、ついでになんか声もきこえる。何だよ気持ち良く眠ってたのに。えーなになに、「バカ、お前次もサボるつもりかよ!」………。
あー…そうか屋上だったねここ。
「いーずみくうー…、ん」
「あ、起きたか?(かわい)」
「ううんー、まだ寝てるー」
「てめっふざけんなよ」
「あのねー…まだ寝てるんだけどねわたし、」
「なんだよ」
「空、きれいだね」
「だな」
えへへ、って笑ったら泉はふん、って言ってそっぽ向いた。このやろ泉オイてめー。
「わたしねー」
「ん」
「またここで眠りたいわけ、」
「はあ」
「でもねー、一人で寝てたらいつの間にか放課後とかなんだよ、たまに」
「あー…(そういえばたまにいなかったなー)」
「だから、いずみ起こしに来てよ、わたしのこと」
「は?」
「また一緒に青空鑑賞会しよ」
「………まあ、たまになら付き合ってやるよ」
わーい、って笑ったら、今度はちょっと顔を赤くして笑ってた。クールなのもいいけど、やっぱり笑ってるほうがいいよ。
そう言ったら、「バカ」って怒られた。おこりんぼめ。
屋上青空鑑賞会
(いずみの隣って楽だなあ)(へんなやつー)
*ふわふわヒロイン。お気楽。
天気良いときのお昼寝は最高!
071021(再07/11/13)