イチオリ長編

□泪のムコウに見えるもの
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「じゃあ今日はたつきちゃんにおごっていただこうかな?」




「はいはい奢りますよ。ただしあんみつ一杯だけだからね」



「わかってますって、普段通りに頼んだらたつきちゃん破産しちゃうもんね」


「あんたが言うとシャレに聞こえないのよ…」

なんて笑い話…になってないような気もする会話をしながら甘味処に向かっていると…

「あ!私髪、切りにいかなきゃいけなかったっけ…部活の顧問に少し長いって言われたんだよな…織姫悪いんだけど髪切りに行くのつき合っくれる?10分くらいで終わるからさ」


「うんいいよ」

そう返事をしたらたつきちゃんの顔付きが少しシリアスに変わった

「……織姫」



「な…なに?急に真剣な表情して…」


「あんたも髪切ってみたら?」


「え…!…それは」

それは無理
なぜならこの髪の長さはたつきちゃんとの信頼の証

もうむやみに切らないと心に決めたこと


「あのねた…」


「言わなくともわかってますって、その髪の長さが私との信頼何だってことはさ、前に話してくれたじゃん。でもさ…私の信頼関係にもう髪の長さは必要ないよ…もうとっくの昔に信頼度MAXになってるんだから」

そう満面の笑顔で言われ…またしても涙がこぼれてしまう

「うっ…ひっく…」



「ちょっと泣くほどの事でもないでしょうが〜それともあんた私との信頼度がまだまだMAXまで足りないとか思ってたの?」


首を振って否定する

信頼云々じゃなく…私を大切に思っていると言われてうれしくて涙が溢れたんだよたつきちゃん


「それに…一護へのいい見せ締めにもなるし」



「見せ…締め…駄目だよそれじゃ黒崎君が…」



「いいのよ!少しくらい懲らしめてやらないと気が済まないし…それに織姫が髪を切って一護がそれに反応すれば少しは感心があるってわかるし…なによりいま腰辺りまで伸びて生活しづらそうだしさ」


確かに伸びすぎて少し日常生活に支障があるのも事実で…

シャンプーするときもかなり面倒だし…

髪も傷みやすいし…

スーパーとかで買い物してると小さい子供とかに引っ張られたりするし…

それに…黒崎君の反応を見てみたい





「…わかった、切るよ私…」


「よし!そうと決まれば急ごう!あんみつ食べる時間なくなやらないようにね!」

そう言われ手を引っ張られながら急いで向かった



そして実に三年ぶりに髪を切った





翌日






「グッドモーニングいっちごー!」


「啓吾朝からあいからずうぜーな」


「仕方ないよ浅野さんはそれくらいしか取り柄ないし」


「二人とも酷っ!!おまえらに優しさはないのか〜!」




ガラァ




「おはよう黒崎君!」



「……井上…お前」

私はこの時の黒崎君の顔を一生忘れることは出来ないだろう


END
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