リクエスト1

□また廻り会う日まで
2ページ/4ページ

それから一ヶ月…


黒崎から結婚式の日時を知らされた




それは、運命か偶然か…






その日は僕のアメリカへ旅立つ日時と一緒で…








僕はとことん神に嫌われている気がした…







最後に一目だけも会っておきたかったから…











井上さんに…





しかしその願いは思わぬところで叶うこととなる。



「えっと…次は…〇〇先生の所か…」


僕は今お世話になった人たちにアメリカへ行くためいままでの感謝の印に挨拶回りをしている


「たしか…この辺りのビルでクリニックをやってるはずなんだけど…」

回りに同じようなビルがありなかなか目的地にたどり着けない



そんな時、ビルから人が出てきた。


その人に場所を聞こうとその人をみたら…




長い髪…


独特な髪の色…


独特な雰囲気…


そして、この胸のざわめき…




その人は間違いなく井上さんだった…


向こうもコチラに気付いたのかコッチを見ている


二人の視線が三秒ほど合わさってから…

「石田くん!!久しぶりだね〜!」



井上さんはそう笑顔で言ってコチラに駆け寄ってきた




その笑顔がとても懐かしくて…






その笑顔が嬉しくて…






でも…








その笑顔が僕を切なくさせた…



「久しぶり井上さん。」




「ホント久しぶりだね。話は黒崎君やみちるちゃんから聞いてたけど…会うのは高校以来だね。」

こんなたわいのない話をしていても笑顔な井上さん



その笑顔が僕の気持ちを掻き乱しより切なくさせる…





「所で井上さんどうして此処に?」


「私今ね、このビルにあるクリニックで看護師やってるんだ☆」

そう言って井上さんが指指した方は…僕が訪ねる予定のクリニックだった



「そう…なんだ」



「ホントは黒崎君と一緒に働きたいけど…無理だもんね。それに比べてみちるちゃんは良いなぁ〜、アメリカで石田君と同じ病院で看護師続けるって言ってたから、これから石田君といつも一緒に仕事できるんだもんなぁ、ホントうらやましいなぁ…」
本気でうらやましがっている井上さん




僕は…小川さんを選んだんだ…なのに…なのに…なぜこんなにも気持ちを掻き乱されるんだろうか…
彼女の声…


彼女の笑顔…


彼女自身を見ていると…

僕の心が揺らいだ…


でも…

頭にはなぜか小川さんの笑顔が浮かんでいた…

「それより、井上さん結婚式出れなくてゴメン」





「そんな良いよ!?こっちこそお見送り行けなくてゴメンね。結婚式当日は朝から行かないと間に合わないから…でも茶渡君や千鶴ちゃん達は行くはずだから寂しくないよ☆」



会話していて思った、井上さんは井上さん中身は変わっていないと。


でも少し大人びて見える…やはり7年の時がたっているんだとひしひしと思わされた



僕もそう見えているだろうか…



「そういえば石田君、なんでこんな所にいたの?」



「近くに用事があって…井上さんこそ大丈夫なの?僕と話していて、何か用事があったんじゃ無いのかい?」



あえて井上さんには言わないでおいた僕の用事を…何故だか自分でもよく分からないが…多分彼女との接点を作りたくなかったのかもしれない…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ