イチオリ1
□笑顔の二人
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「…寒いなぁ」
「そうだねぇ〜最近より一層寒いね」
「冬だからかなぁ?」
「冬だもんね寒いよね」
いま俺の部屋で井上と二人でコタツに入っている
笑顔の二人
「井上お茶飲むか?」
「あ、うん飲む飲む!」
「ようかん食べるか?」
「食べる食べる」
「じゃ下からもってくるわ」
「黒崎君よろしくね」
なぜ井上が家に、しかも俺の部屋に居るのか?
あの戦いが終わり井上を救いだした後井上となぜかしらないがスゲー親しくなった。
親しくなったと言っても別に付き合う付き合わないとかの男女の関係じゃなく友達として仲間としてより一層親しくなったと言ったほうが正しいだろう
キッカケは井上がみんなに迷惑かけたお礼に井上の家で食事会をしてから、現世組全員招いてくれたんだが何処からか聞いた(確実にルキアだと思うが…)ユズが私も行くとだだをこねてしかたなく連れていったらユズが食事会のお礼にと井上を家の夕飯に招待した
そしたら井上がまたお礼にとユズとカリンと俺を食事に招いてくれて…これが延々と繰り返しおこなわれた。
そして気付いたら家に井上が居るのが当たり前になり、俺が井上の家に行くのがこれまた当たり前のようになって…
土曜は俺が井上の家に、日曜は井上が俺の家に、なにか決まりがあるわけでも約束があるわけでもないがこの関係がいつの間にか当たり前になって…
この関係をたつきに話したら、『アンタ…鈍いにもほどがあるわ。自分の気持ちにも気付かないなんて…』と少し呆れられながらいわれたが俺はたつきが何を言っているのかよく分からなかったので軽くスルーしておいた
今や井上と二人で居ると落ち着くし居ないとと寂しく感じる時もある。
このことを現世に遊びにきた乱菊さんに話したら『一護アンタ…何で自分の気持ちに気付かないのよ!!精神でも病んでるの?』何て言っていたがこれまた意味が分からなかったので軽くスルーした。
「あ!お兄ちゃん!」
お茶を入れる準備をしていたらユズが困り気味に話しかけてきた
「どうした?」
「お兄ちゃんボスタフどこにいるか知らない?昨日は部屋に居たのに今日気付いたらいなくなってたの…折角ボスタフのためにかわいいリボン昨日作っておいたのに…」
(なるほどいなくなった原因はそれか…)
「見付けたら知らせてやるよ」
「うんおねがいね。……そのようかん織姫ちゃんと食べるの?」
ようかんを一人分ずつに切っていたらユズがきいてきた
「そうだけど…だめか?」
「違う!違う!そうじゃなくて織姫ちゃんが食べるならこれももっていって」
そう言うと冷蔵庫から箱を取り出した
「これ昨日お隣さんからもらったんだけど多くて食べきれないから織姫ちゃんに食べてもらって中身は人形焼きだから。織姫ちゃんこういうの好きだし」
「サンキュ、じゃもらってくわ」
お盆にお茶とようかんと人形焼きを乗せて二階に向かう