イチオリ長編
□泪のムコウに見えるもの
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私は走ったなにもかも見ないようになにもかも忘れるように…
時期にいつもの河原に腰を下ろした
「はぁ…はぁ…はぁ……わかってた…はずなのに…黒崎君は朽木さんが好きだって…わかってたのに……涙が…止まんないよ」
わたしの心は限界だった
泪のムコウに見えるもの1
事の発端は私が教室に部活用の裁縫道具を取りに戻ったときに起こった
「部活にいくのに部活道具を忘れるとは我ながら抜けてますな」
そういつもどおりドジった私はいつもどおりに教室の扉をあけた
でも開けた目の前はいつもどおりではなかった
「………」
教室で黒崎君と朽木さんがキスをしていた
一瞬思考回路が止まったが…
ピシャ!
私はすぐに教室の扉を閉めた
そして走り出す
走り出したとき後ろから声がしていたけれど私はかまわず走り…逃げた
下駄箱で靴をはきかえた時後ろから朽木さんが追ってきていたが私は無視をして走り去った
朽木さんの顔をまともに見ることなど出来ない
見たくなんて…なかった
そして今河原にうずくまりながら泣いていた
「なんで…涙が止まらないの…ちゃんとわかってたのに…黒崎君が朽木さんを好きなこととわかった上で片思いしてたのに …」
現実についていけない
頭ではわかるのに心ではなにも理解できてなく涙が込み上げつづける
「二人に迷惑かけちゃってどうしよう…キス中にいきなり泣かれたから困ったろうな」
二人を心配していてもやはり涙は流れつづけた
するとそこに…
「あ!いたいた織姫!」
土手の先からたつきちゃんがすごい形相で走り込んできた
「ふぇ?た…たつきちゃん…どうして」
「はぁ…はぁ…どうしてってそりゃあんたが私の前を泣きながら横切ったからに決まってるでしょうが…そりゃ追いかけるわよ」
そういわれ見てみるとたしかに部活にいこうとしてたのか空手着とカバンを持っていた
「で…なにがあったの?」
「な…なんにも…」
「なんにもなかったら泣かないっつうの早くホントのこと話す!」
「…あの…ね実は…」
さっきの出来事を話す
途中言葉が詰まったり涙が溢れたりしながら
「…そっか、ごめんつらいこと話させて」
申し訳なさそうに私の頭を撫でてくれる たつきちゃん
「ううん…大丈夫」
「一護の奴…後でぶん殴ってやる」
「だ、ダメだよ!黒崎君はなにも悪いことしてないんだから!」
「織姫をこんなに傷つけて、こんなに泣かせた奴は私には誰でも悪なんだよ…だから絶対殴る」
かなり真剣な顔で言われたので言い返すことが出来なかった
(黒崎君…殴られたらすぐ治すから…ごめんね)
勝手だが心だけで謝る
「さて…泣き止んだことだし気晴らしにあんみつでも食べに行こうか?」
「そうだね……うん!行こう!」
私はたつきちゃんに心配かけまいと元気よく立ち上がった
「たくっ…なに無駄に空元気だしてんのよ!たまには(落ち込みすぎてるからあんみつおごって〜)とか言ってみなさいよ」
「だってだって心配かけたくないし…」
バシッ…たつきちゃんに頭を叩かれた
「痛い〜…」
「あんたね私くらいには甘えたっていいんだからね。ただでさえ自分で全部抱え込むクセがあるんだから」
優しく怒るたつきちゃんの存在をすごく有り難く思う。
私のためになんでもしてくれる親友に心から感謝した