武装錬金
□ブソレン・アナザーストーリー
あらたなる宴
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「あ〜!食堂やっぱりしまってる!おばちゃんもいない…今晩飯抜きか…とほほ」
護はベタに食堂の扉の前でしゃがみながらいじけている
「店長のあほぅ……店長のあほぅ……店長のあほぅ…」
ついには呪いだした
「あ!護君帰ってたの?」
いじけていたら後ろから声がするので振り返って見た
「あ…まひろちゃん…ただいまぁ〜…」
挨拶をしてはみたがやはりテンションは上がらない
「…もしかしてご飯食べられなくて落ち込んでる?」
声を出さずに小さく頷いた
「だったら大丈夫!おばちゃん頼んでとっといてもらったから」
その言葉を聞くやいなやテンションMAXまで回復。
「ありがと!まひろちゃん!」
まひろの手を取り大きくぶんぶん振るって握手をした
ブソレン・アナザーストーリー
あらたなる宴
第二話
武装錬金
「…あのごめんね」
「…大丈夫だよそんな気にしないで」
さっきの握手のあと食堂に入りまひろに食事を温めてもらっている
しかしそれまでに少しあって…
そりゃ思春期の付き合ってない男女が手を繋ぐのは多少なりとも過剰に反応してしまう。ましてやスレてないうぶな二人ならなおさらだった
お互い顔を赤らめて謝り通した
しかし妙な空気はやはり拭えない
(…はぁ、やっちまったなぁ)
またしてもテンションが下がりまくってしまい落ち込んでいると何事もなかったような声でまひろが食事を持ってきた
「は〜いお待たせ!煮魚定食ご飯大盛りどうぞ〜!」
護も落ち込んでたが食事がきたらすべてが吹っ飛んでいた
「ありがとう、よし!いただきま〜す!」
ガッガッガッ…
食べる速度が元から人より早いが今日はいろいろ(主にさっきのことだが…)あって腹が減っていたためさらに早い
「よっぽどお腹減ってたんだね〜。無理もないかこんな時間だもんね、でも今日はどうしたの?こんな遅くなって…バイト?」
ガッガッ…ピタッ
「そうだった…すっかり忘れてた…。まひろちゃんカズキ先輩と津村先輩何処にいるか知ってる?」
「お兄ちゃんと斗貴子さんなら近くの談話室でストロベリッてるけど?用事があるなら呼んでこようか?」
「じゃあお願いするよ。あ!そこに転入生の中村先輩だっけ?いたらその人も呼んでくれる?」
「わかったそれじゃ行ってまいります!」
軽く敬礼すると食堂を出ていった
五分後…
「ごちそうさまでした。」
早々と煮魚定食ご飯大盛り完食
すると…
「おっ!いたいた。護おかえり。バイトお疲れ様」
「今日は遅かったな。無理をしすぎるのはよくないぞ」
「…っていうか何で俺まで」
上からカズキ、斗貴子、中村剛太の順
「すいませんカズキ先輩、斗貴子先輩、えっと…中村先輩だっけ?呼び出しちゃって」
「で、何か用?いきなりまひろに呼ばれたから俺たちなにも知らないんだけど」
三人とも呼ばれた意味を知らないので不思議がっている。なぜならこの三人は昔チームを組んでいた。そんな三人が呼ばれたら不思議に思ってしまう。
そのためまひろをこさせなかった
しかしその不思議はすぐに確定事実に変わる
「そうそうこれに見覚えありませんか?ある人が三人に聞けば分かるからって…」
ゴソゴソ…コト
ズボンの後ろポケットにしまっていた石を机の上に置いた
すると三人の雰囲気がガラッと変わる
「「「かっ…核鉄!?」」」
「お〜見事なハモりですな。」
「お前なに呑気に言ってんだよ!これがどんなものか…」
スッ
斗貴子が苛立っている剛太を手をだして止める
「止めろ剛太、此所でするような話じゃない。護すまないが外で話そう聞きたいことがある。」
そう優しく言う斗貴子だがその雰囲気が護が知っている物と遥かに違い殺気のような物が込められていて少し身震いをしてしまうほど恐ろしかった
「…何も校庭までこなくてもいいんじゃ…」
「すまない。誰にも聞かれたく無いから念には念を入れて校庭にしたんだ」
四人は校庭にある朝礼台のもとに集まっていた
「護…これをどういう経緯で手に入れたか聞きたいんだが…話してくれ」
「…分かりました」
今日起こった全てを三人に話した
核鉄を踏んで転んだこと…
不思議な生き物のこと…
小早川のこと…
三人に聞けば分かると言われたこと…
話をおえると三人は暫く個々に考え込んでいた