リクエスト1
□嫉妬心と恋心
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そんなウダウダしていたからか二人を見失いそうになる
「やべぇ!急がねぇと!」
そう思って走り出したときに…
ドン!
「うわぁ!」
「うわ!」
ベタに人にぶつかってしまった
「すいません急いでて…」
「いや、こちらこそ…って一護!?」
「る、ルキア!?お前こんなとこで何してんだ!!」
そうぶつかったのはあの恋次の彼女…のはずのルキアこと朽木ルキアであった
「き、貴様こそ高校生の分際でなぜこんな…は、ハレンチな所にいるのだ!」
「俺は…その…何て言うか…って、お前こそこんなとこで何してんだよ」
「わ、私はその…ちょっと…れ、れ、」
「れ、何だよ」
「その、恋次が…」
ルキアの恋次の発言によりどうやら俺とルキアは‘同じ’のようだ
「なるほどなだったら俺と同じだ。俺は井上だけどな」
「そうか一護も…」
そう言うルキアは何とも切なそうな顔をしていてさながら‘女’って感じがする
「最近恋次が時折井上と二人きりで出かけている事に気付いたのだ。だから私は何処に行っていたのか訪ねたら、絶対に言えないと言ってきた。始めは気にしていなかったんだが最近井上もすっかり女っぽくなって来て恋次のやつが…その…浮気…してるんじゃないかと思って」
「それで尾行を」
「私だってこんなことしたくはない!恋次を信じてやりたいし井上を疑うなどしたくなんかない。…でもやはり心の何処かに不安が残ってしまうのだ。だから…」
そう言うと塞ぎこんでしまった
「そんな顔すんなよ。俺だってにたようなもんだしな。井上が最近妙に気になるから目でおっていたら恋次とよく一緒にいる事に気付いて、ましてや二人だけの秘密って言われていてもたってもいられなくなって、それでこんな尾行までして……ってあの二人は?」
お互いの経緯を話していて二人の事をすっかり忘れていた
「しまった…忘れていた」
「くそ…どうするルキア」
「ど、どうすると言われても…」
二人でどうしようかアタフタしていたら突然後ろから…
ドサッ、
と、何かが落ちる音がした
後ろを振り返ると
「井上…」
「れ…恋次」
そこには怒り顔の恋次と今にも泣き出しそうな顔をした井上が立っていた
「…恋次君…ごめん私用事思い出しちゃった!先帰るね!それじゃ!」
目にたまった涙を拭って走り出そうとする井上
「井上待ってくれ!」
俺は井上の手を掴もうとした
だけどそれは恋次により阻まれた
「井上大丈夫だこんなやつの為に泣くなって。家まで送ってやるから。人形焼きだって落としてるじゃねぇか、ほらもう落とすなよ」
そう言って井上と歩き出した恋次
「一護、ルキア、井上の家の近くの公園に居てくれ。話があるから」
恋次はこちらを見ずに言った
「あぁ、わかった」
俺が答えると二人はふたたび歩き出した
俺とルキアはしばらくそこから動けなかった
「ルキア…大丈夫か?」
「あぁ…大丈夫だ」
嘘だ。明らかに大丈夫な顔をしていない。
今の状況だとそうならざるおえない
俺たちがしゃべっていた場所が悪かった。
そこはホテルの出入り口だったからだ。それが普通のホテルならなんの問題なかったんだが…
そのホテルがラブホテルだったのが問題だった。
こんな悠長に語っている俺だが、俺だって動揺している。
井上にこんな所を見られるなんて…
確実に誤解された…目に涙まで溜めて……っん?何で井上なきそうだったんだ?考えてみたら井上が涙を溜める理由があったか?う〜ん分からん。
取りあえずいつまでも此所にいてもラチがあかないので言われた公園に向かうことにした