黒き力と白き力
□ぼくと君の物語第一話
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「おーい和喜起きろー朝だぞ!」
「…もう起きてるよ煩いな…」
俺は竜野和喜、昨日この空座町に越してきた高校一年生だ。親父の仕事の都合で今まで海外暮らしだったがこれまた親父の仕事の都合で日本に帰ってきた。そんな親父の仕事は…
「お前誰と話してんだ?」
「うわ!親父!入るならノックぐらいしろよ!」
「お前が起きてこないからだろうが、早く起きてメシ食っちまってくれきょうは礼拝堂の掃除すんだからはやくかたしたいんだ」
「すぐ食べるよ、それに自分の分ぐらい自分で片付けるから礼拝堂の掃除しちゃえよ」
「そうか、じゃ頼んだぞ」
(たく…過保護なんだから…)
そう、みんなの想像通りうちの親父は協会で神父をしている。讃美歌から掃除まで一人で全てやるスーパー神父である。最近は徐霊活動まで始めたそうだ。
「おまえ誰と話してんだ?」
「うわ!親父まだいたのか!はやくそうじにいきなよ!」
「行くけどお前に言い忘れたことがあってな。お前日本久しぶりだから散歩でもして日本の感覚に慣れとけよ。明日から学校なんだから」
「大丈夫だから早く行きなよ終わんなくなるよ。」
「もう行くけどちゃんとこの町に慣れろよしばらくはいるだろうからな」
そう言いながら部屋をでていった
「さて、メシ食ったら散歩にでもいくか」
この時はまだ変わらない日常だった。
しかし俺の運命の歯車は…突然狂いだした…