リクエスト1
□彼方のとなり
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「あの…黒崎君この箱開けてみてもいい?」
「ああ、いいぜ」
私は箱を開けてみた
「これ…かんざし?」
箱の中身はかんざしだった。高級感があって気品があるような感じだ。桜の花の飾りがついている
「俺がえらんだんだけど…気に入ってくれたか?」
「うん!凄く気に入ったよ、ありがとう黒崎君!」
今度はちゃんとお礼が言えた
「気に入ってもらえて良かった、井上をイメージして選んだんだ、それ」
「私をイメージして?」
黒崎君から思いもよらない一言
(私のイメージ桜?みんなにはよくひまわりっていわれるけど)
「最初はひまわりだと思ったんだけど、でもひまわりじゃ井上を表現仕切れないし…確かにひまわりみたいによく笑ってるし、周りを明るくしたりするけど…でも井上はそれだけじゃない、裏では悲しんだり泣いたり時には怒ることだってあるし、それに…」
次の黒崎君の言葉で私の涙腺は我慢が出来なくなった
「井上は心が凄く強い、何があっても友達を信じるしなにかあって挫折してもちゃんと前を向いて歩いてる。だから俺は桜を選んだんだ。桜は花を咲かせて人々を喜ばす、でも儚く散ってしまう、それでも時間がたてばまた花を何度でも咲かす、それが井上みたいに感じて選んだんだ」
(もう…駄目)