リクエスト1
□彼方のとなり
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(…私のこの思いを…黒崎君に伝えたらなにか変わるかな…)
私は今までそんな風に思ったこともなかった
普段は、ただ黒崎君に会えるだけ、喋るだけ、みんなと一緒にいるだけでよかったから…
汚い感情が渦巻いている今だからこんな極端で浅はかな考えが浮かんだのだ
(言ってみようかな…)
「何をだ?」
「うひゃ!?く・く・黒崎君!?な、何でここに!?しかも何で後ろから?ビックリした!」
「何でって…井上が急に教室出てくから心配して…たつきに聞いたら具あい悪くて帰ったって言うし、気になって家まで送ってやろうと思って井上ん家の方に通っていったけど井上いねぇから仕方なく帰ろうかとこの公園の前通ったら独り言呟いてる井上を見付けたわけよ」
黒崎君はどうやら私を心配して来てくれたらしい
(頭で考えてたのが声にでてたんだ!聞かれたかな!?)
聞かれたかも知れなくて少し頭がパニックになってしまった
「く…く…クロサキクン…ナニカホカニキコエナカッタ?!?」
なぜかロボット口調になってしまった…
「井上…何でロボット口調なんだ?…まあ他のことは聞いてねぇけど…」
どうやら聞いてなかったようだ…