NL部屋
□チーズフォンデュ
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ルークの感想を聞いて一同、それならば安心と食事を口にし出す。
「ほんとだ!おいし〜い!!」
アニスが感激の声を漏らした。
「チーズがとろとろしてて…、肉や野菜も丁度良く湯で上がっているな」
ガイもうんうんと頷きながら、何度もフォークを口に運んでいる。
「…本当ですね、あなたが作ったにしてはうまく出来ていますよ」
「それはどういう意味ですの?ジェイド」
ジェイドの失言に一同は「げ、」と顔をしかめる。
当然のごとくナタリアはテーブルから身を乗り出してジェイドを睨む。
しかし、そんなものはものともせず、爽やかな表情を浮かべるジェイド。
「いえいえ〜、私は素直な感想を言ったまでですよ。…でも、本当によく出来ていますよ。頑張りましたね」
その笑顔の裏で『今回は』と付け足すのは忘れない。
みんなから好評を得たチーズフォンデュをナタリア自身も嬉しそうに口にした。
* * *
「は〜…、食った食った!ごちそーさん」
食後、席に着いたまま大きく伸びをするルーク。
他のメンバーはそれぞれ部屋へ帰っていった。
後片付けをする為ナタリアはそのまま食堂へ残り、ルークは食後の眠気が襲ってきたのかうつらうつらとしている。
「ふふ、満足しまして?ルーク」
「あぁ、…これならまた食べたいな」
「そうですか。それでしたらまた腕をふるいますわね。今日はルークもちゃんと野菜を残さず食べてましたものね」
「‥う、ん?」
目を擦りながら生返事をするルーク。
いつもより優しく落ち着いたナタリアの声のトーンが子守歌の様に聞こえるのかもしれない。
その内、眠気のピークに達したのかルークはテーブルの上にはしたなくも寝そべり始めた。
「まぁ、ルークったら。…仕方がないですわね」
後片付けが終わったナタリアが戻ってみると、ルークはテーブルの上で完全におちていた。
今回だけですわよ、とルークと同じく席に着いたナタリアが、テーブルの上に広がる赤い髪を指で優しく撫でた。
end.