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□あたりまえのように
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そんな言葉一つで機嫌が良くなるのだから、世の中捨てたもんではない、とピオニー思う。


「そりゃ、なかなかの口説き文句だな」

ハハハ!と豪快に笑う姿にルークは「違います!」と少し赤くなった顔で相手を睨みつけるが効果もなく。

むしろそれすら楽しそうに笑うピオニーにルークはまぁ、いいかと非難の言葉を飲み込む。

「そういや、ルーク。お前ここに何しに来たんだ?」

「そうだ!忘れてました。ジェイドに『陛下を見つけて早く城に連れてくる様に』って言われてるんでした」

「それでお前は今まで俺を探してたってワケか」

ルークが頷けば悪びれる様子もなく「ご苦労な事だな」と一言。

「そういうワケなんで、早く帰って仕事をして下さい」

じゃないと俺が怒られます。
ルークは悲痛な想いを胸に飲み込んだ。

「もうちょっとお前とデートしときたい所だが、そうだなぁ…帰り道ルークが腕組んでくれるなら帰ってやってもいいぞ」

はぁ?
という叫びがルークの胸中を木霊した。

「…なんで俺なんですか…?」

男同士でそんな行為、傍から見れば明らかにおかしい。
この人は分かっているのだろうか?

「今、俺の側にはお前しかいない」

当たり前の事の様に言い放つ陛下。

言い出したら聞かないのを知っているからルークは溜め息を吐いた。

「…わかりました」

諦めたようにルークが腕を差し出せばそれに応えてくれる自分よりも逞しいピオニーのそれ。

(今日の陛下は少し甘えたいみたいだし、まぁ‥ジェイドにだけはこんな場面絶対見られない様に気をつけてればいっか)

そう気楽に構えられるのも、何も考えていない様で実は奥が深い、自分の側で楽しそうにしているこの奔放な皇帝のおかげだとルークは密かに思った。



end












おまけ

・ ・ ・

『帰り道、色んな人の視線が結構痛くてどうしようかと思ったけど、陛下は相変わらずマイペースだし…。
途中フリングス将軍には鉢合わせしちまった時はもうどうしようかと思った。
相手も結構驚いた顔してたけど、きっとあの人なら誰にも言わないでくれるだろうし、少し安心できるかな…。

陛下も元気になってくれたみたいで良かった』


【ある日のルークの日記より】
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