ZxL

□こっち向いて
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正直言って、うっとうしい。
ロイドは苛立ちを隠しもせず、深く溜め息を吐いた。
いつもの様に背中にべったりとひっついているゼロスを剥がすのも面倒臭く、好きにさせてはいるが。

「疲れた、疲れた、疲れたぁ〜〜〜!!」
「耳元で騒ぐなって。うるさいぞ」

まともに相手をすると付け上がるだけなので、そうはさせてやらない。

「ロイドくん、なーんか最近冷たくない?」
「………気のせいだろ?」
「うわ、なに今のビミョーな間。俺さま傷つくんですけど」
「……」

完全無視を決め込む。

「なぁ、なぁってば、ロイドくーん」
「……」

今日はやけにしつこいな、と思いながらも沈黙を続けるロイド。
すると、後ろにいる筈の男の雰囲気がふっと変わった気がして、背中のぬくもりが離れていった。

「…ゼロス?」

怪訝に思ったロイドが振り向けば、後ろにはしてやったりというゼロスの顔。

「やっとこっち向いたな、ハニ〜」

「っ、ハニーって言うなっ!!」

怒り半分恥ずかしさ半分の複雑な表情のロイド。

「俺さま疲れた〜…なぁ、ロイドくん、癒してくれよ」
「?、俺、癒しの術なんか使えないぞ?先生にでも頼めよ」

言っている意味が分からなくて首を傾げれば、ゼロスが怪しげな笑みを浮かべながら再び近付いてきた。

「ん〜、ウルトラコージャスなリフィル様に癒してもらうのもいいけど、なんつーか、今日はロイドくんに癒してもらいたい気分なんだよね〜。…ホラ、こんな風に…」

――ドゴッ!!!

ロイドのホディーブローが見事にゼロスの腹に炸裂する。

「いっ、てぇぇ…!!」
「もっと優しくしてやろうか?」
「ろ、ロイドくん、俺さまこーゆープレイはあんま好きじゃないんだけど…」
「何か言ったか?」
「いぃいえ!なんっにも!」

いつもの様に行われるそのやり取りを遠巻きに眺める仲間達。
ある者は呆れながら、ある者は楽しそうに。


end.

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