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□ちいさなかくれんぼ
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それを見つけたのは偶然だった。
いや、むしろ見つけられた事自体が奇跡だ。
きっと運が良かったのだと思う。
そして、そんなラッキーな出来事に巡り会えた事を、少女――カトリは心の底から感謝したい気持ちになった。



その日は何の変哲もない、普通の日曜日だった。

「カトリ。早く食べてしまいなさい」

ぼんやりと考え事をしていたら、キッチンからママの大きな声が届いた。
いけない。と、カトリは皿の上に乗ったままの少し冷めてしまったオムレツを急いで口の中へと詰め込んだ。
ぼんやりしているとまた叱られてしまう。

休みの日だというのに、せかせかと出かける準備をしているパパに、朝早くから作った、凝ったおかずのお弁当を手渡す笑顔のママ。

パパはこの町のお巡りさんをしている。
だから普段は余り家にいる事がない。
朝は早くから家を出て、夜帰ってくるのも遅い。
だけど、昨日は珍しく早く帰ってきたパパに、今日は一日一緒に遊べる、とカトリはとても楽しみにしていたのだ。

逞しくてとても優しいパパと、怒ると少し怖いけれど料理が上手なママ。
カトリはこの二人が大好きだった。
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