キルリレー小説★

▼書込み 

06/29(Sat) 23:19
E


「……っ、は……」
 重ねられた唇は先程見て感じた通り、少しかさついていた。
 躊躇いがちにゆっくりと押し当てられる唇の感触にリッドは思わず瞳を閉じてしまう。そうすれば見えなくなった分、キールの動き一つ一つに敏感になり、余計に恥ずかしさが増す。
 触れている所から伝わってくる相手の体温が妙にリアル過ぎて、逆にリッドから正常な判断を奪っていく。その証拠に、与えられる口付けが次第に深くなっていっても、リッドはそれを拒む事が出来なくなっていった。
 何度も、何度も、角度を変え繰り返される口付け。啄むようなそれの合間に漏れ出るキールの甘い吐息が、リッドの理性を危うく崩していく。
「んっ……!」
 息をするのを忘れていて、リッドは固く結んだままだった唇をそろそろと開いた。すると、それを合図と受け取ったキールの舌が入ってくる。
 ぬるりと絡んだ舌先にリッドの肩がビクリと震えた。

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