キルリレー小説★

▼書込み 

05/28(Tue) 22:21
D
咲子

「っ、」

やばいと思った。でも止めなかった。というか、止めるという選択肢なんて最初から俺の中にはなかったのかもしれない。

(本当は期待してたんだ)

少しかさついているキールの唇は緊張からか僅かに震えており、それにつられて俺も妙な緊張感に襲われる。でも、止めない。止める必要もない。覚悟はしていた。キールはそんな俺に答えを示した。気の迷いじゃないと。本気なんだと。言葉だけではなく、態度で俺に示して見せた。ただそれだけ。それだけなんだ。数秒の後、俺は無言のままキールの首に腕を回した。他意はない。床に尻餅付くのが嫌だなー…とか、まあそんな程度。でもキールは違う意味に取ったらしい。そのまま壁を背にズルズルと床に押し付けられて、俺は結局尻餅を付いた。痛くなかったから文句は言わない。

「キール…?」

どうした、と発する前に口を塞がれた。

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