キルリレー小説★

▼書込み 

03/10(Sun) 17:32
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(――アレ…? なんで、こんなコトになっちまったんだっけ…?)

 力任せに壁へと押し付けられた背中がズキズキと痛む。振り解こうと思えばいつもなら簡単に振り払える腕も、何故か力が入らなかった。
 目前にあるキールの眼差しがあまりにも真剣すぎて、これは冗談なんかではないという事が痛い程伝わってくる。
 それを認識した瞬間、全身がまるで石にでもなってしまったようにピクリとも動かなくなってしまった。目を逸らせたいのに、自分の意思とは反してそうすることができない。そのくせ、顔だけは異様に熱くて、今にも爆発しそうな鼓動の音が相手にも聞こえてしまうのではないかと思いリッドは焦った。
「……キー…ル」
 やっとの事で出した声は緊張の余りに掠れていて、リッドは情けない自分の現状に心の中で舌打ちをした。
 リッドの顔のすぐ隣――壁に付いていたキールの右手がゆっくりと移動し、頬に触れてきた。初めあれだけ意気込んでいた割には、恐る恐るといった具合に触れてくる指。それは、彼がまだこの先へと進む事を躊躇っているようにも見えた。
 リッドは混乱しそうになる頭で、ほんの数分前までの自分達の会話のどこにそんな要素があったのかと必死に記憶を辿っていた。

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