「ミアキスとロイが…、なんて知らなかったなぁ」

王子が壁に身を預けて、腕を組みつつ微笑んだ。



ふいうちのゆくえ2

「そうじゃないですよぉ、王子?誤解ですぅ」

ミアキスも悪びれた風もないように…見える様に微笑みを返す。
内心では、しまったなぁと冷や汗ものだった。
見た目には、いつもと変わらぬ優しい微笑みを浮かべる王子だが、負のオーラというか、怒りというか、とにかく隠しきれていない。

「誤解、ね…どうみても押し倒していたように見えたけど?」
「そうですねぇ、押し倒してましたぁ」

押し倒していたことは事実だったので、ミアキスは頷いた。それが予想と反したのか、王子は目を見開いたかと思うと、片手で頭を押さえ溜め息混じりに小さく笑った。
ミアキスは不思議そうに首を傾げる。

「どうしたんですかぁ?」
「いや、あっさり肯定されるとね、気を削がれるというか…それで、押し倒してて何が誤解なの?」
「あぁ、私はロイ君とは何でもないんですよってことですぅ」

人差し指を立ててミアキスは笑ってみせた。王子は納得がいかないというか、理解できないといった様子で眉を潜める。

「たきつけてたんですぅ、ロイ君を」
「たきつけてた?」
「はい。ほらぁ、王子とリオンちゃんはいつも一緒でしょお?だから…心配…という訳ではないんですけどぉ」

伺うように王子を見た。王子はいっそう深い溜め息をつき、ミアキスは急に不安になった。

「なんだ、そんなこと…?」
「そ、そんなこととはなんですかぁ!」

頬を膨らませ抗議をした。確に、子供っぽい嫉妬なのかもしれないが、「そんなこと」と言われるのは、自分の気持も否定されるようで悲しい。

「ごめんごめん。そんなことしなくても、ぼくはミアキスのことちゃんと好きって言いたかったんだよ」
「お、王子…」

さらりと言ってのけた王子をマジマジと見た。王子は首を傾げて微笑みを向けてくる。

「それにリオンだって…まあ、心配ないよ。ミアキスだって見てれば分かるでしょ?」
「そうですけどぉ」

分かっていても、気持ちが押さえられないことだってあるのだ。
ミアキスが膨れっ面のままでそっぽを向いていると、王子が近づ寄ってきてしゃがみペシッとミアキスの額を叩いた。

「けどじゃないの。それに、さっきみたいなの見たくないし、リオンだって誤解しちゃうでしょ?」
「またリオンちゃんって…」

ミアキスのは叩かれた額を押さえ、眉を寄せて王子を見た。
それを見た王子は仕方ないな…と困ったように呟くと、ミアキスの頬にそっと唇を寄せ軽くキスをする。

「それ以上言うなら今度は唇にちゅうしちゃうよ?」
「おお、王子ぃ!?」
「リオンは家族みたいなものだよ?それに冗談通じないんだから、あまりからかわないで?」

諭すように覗き込んでくる王子に、ミアキスは顔を真っ赤にして頷いた。王子の唇が触れた部分が燃えるように熱い気がする。

「うぅ、なんだかずるいですぅ。でも…わかりましたぁ。ほどほどにからかいますぅ」
「うん、そうして?…それにしても…ロイ達は大丈夫かな…」

王子が心配そうに、二人が飛び出していった扉を見つめた。
ミアキスもつられて扉に視線をやる。そして気を取り直して微笑んだ。

「きっと大丈夫ですぅ。こういうハプニングも日常のスパイスですよぉ」

得意気に言うと、王子は苦笑いを溢しつちミアキスの頭をぽんぽんと撫でた。

「じゃあ、二人が帰ってくるのを待つか」


続く



王子とミアキスは我がサイトにおけるアダルティー担当です(これでか)

…何とも文脈が、一定しませんでした…。まだまだ修業がたりないなぁ。と思います。
さて、続きます。ロイとリオンはまだ追いかけっこしてるので、早く落ち着かせてあげないと(笑)



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