「ミアキスって案外泣き虫だよね?」

ミアキスと向かい合い、お茶の入ったカップに口をつけながら、王子が言った。


主導権はどっち?


ミアキスは驚きポカンと口を開けたまま王子を見た。

「急に何ですかぁ?」
「いや、それも可愛いなって思ってさ」

クスリと笑う王子に、ミアキスは頬を赤く染めつつ眉を寄せる。
いつの間にこんなことを言うようになったのか?
カイルの影響か何かだろうか?と小さく溜め息をついた。



「そういう王子は、何だか可愛くないですねぇ」

心の中とは裏腹に顔には微笑みを浮かべる。

「ぼく男だもん。可愛くなくったっていいよ」
「あらぁ、昨今は殿方も可愛くなくっちゃあ、モテませんよぉ?」

「ミアキスはボクにモテてほしいの?」

王子が試すような視線を送ってきた。…本当に、しばらく会わない間に変わってしまったようだ。
でも、負けっぱなしは癪に障る。ミアキス気を取り直して王子を見た。

「そうですねぇ。魅力がないよりはいいんじゃないですかぁ?」

頬杖をつき余裕の微笑みを見せると、王子は顔を曇らせた。

「ちぇー。その反応面白くないなあ」

その様子を見てミアキスはクスクスと笑った。
こういう反応は以前の王子と変わらない。

「何?」
「いえー、やっぱり可愛いなぁと思いましてぇ」
「それさっきのボクのセリフ…」

王子はがくりと肩を落とした。
やはりこうでないと。からかわれるのは自分らしくない。もっとも…


王子がモテるのは…嫌ですよ?


という気持が本心であるが、言わない。まだまだ負けるわけにはいかない。
そう思ったが、ミアキスは肩をすくめ口を開いた。

「王子がこれ以上モテちゃったら、わたし泣いちゃいますよぉ?」
「なっ…!」

今度は王子が頬を赤く染め、ミアキスを見た。ミアキスは満面の笑みを向ける。

「はぁ…やっぱりかなわないなぁ」
「そうですかぁ?」


いえいえ、王子。本当は勝負がついちゃってるんです。わたしは王子には勝てませんよ?
でも、悔しいから今はこのままでいさせて下さいね?


END



短めなのですが、王ミアですー。グダグダになってしまいました(汗)
王子はカイルの元で口説き文句を目下修行中とかなんとか(笑)





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