Prince in the Box 2

□『忍足うずうずっ☆』
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俺って天才的じゃん?
で、気になるのがさ、『千の技』を持ってるらしい氷帝の忍足。
アイツも天才らしいし、どんな奴か知りたくなったわけ。



「…それでどうしたんだ?」


柳がソロバン弾きながら聞いてきた。


「芥川に電話して聞いた」


ちゃんと聞いてたんだ?
やっぱ達人はすげぇ。


「聞けたのか?忍足について」


食いついてきた。
データ好きなだけあるな。


「…それがさ、アイツ昨日誕生日だったらしくて興奮してんの。
「丸井くん俺の誕生日知ってんの!?うれCー!」とか言って。
ま、そこは一応「おめでと」は言ったけど。
それから誰かからの誕生日プレゼントがどーのとか、関係ねー話されて…」

「……」

「ようやく「忍足ってどんな奴?」って聞いたら…歌い出した」

「歌?」

「そ、歌。こんなの」


『渦』/ポルノグラフィティ

忍足が 空の下
裸のまま駆け出して
追い掛けて 羽交い締め
軋んだ関節の音
待っててよ 萎えるまで
ひとりきりにしないで
縛ってよ からだじゅう
荒縄持ってるんやから
溢れそうな萌が股間へ
小さな刺激使って流れていく
ぶつかって悶えながら勃ってゆくの
覗き込めばそのままオカズにされていく

跡部を想うあまり 夜ごと股間騒ぐ甘い刹那
人はつれないものに なぜかこんな惹かれ続けてしまう

話してよ 深い愛
エンディングはベッドイン
触っててよ その下を
後ろから裏側から
どこか繋がるはずの下腹部を
長い時間かけて馴らしていく
そして行く先を無くしたのが
ここにいるたったひとつまぎれもない変態

合わせた指先から かすか僕に届く激しい嫌悪
塞がれた唇から 不意にこぼれ落ちる乾汁

忍足憎らしくて 跡部怒り叫ぶ それに萌
忍足かわいそう なぜかすごく引かれ続けてしまう



「…俺さ、真田もすげー不幸だと思うけど、忍足もけっこー不幸な奴なんだな」

「……そうだな」


【完】

柳「『天才』じゃなくて『変態』さを教えてもらったんだな」
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