実在した海賊の物語
□ドレーク
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ドレークはイギリス南西部の貧しい小作農の出身であった。彼は10才の時、近所に住む老船長の小さな帆船の下働きになった。
その後様々な航海を経験したのち、24才でホーキンズの船団の旗艦《ジーザス・オブ・リューベック》という小型船の船長に昇格した。
ホーキンズ率いる10隻の船団は、メキシコのサン・ホアン・デ・ウルア港に停泊していたときに、5隻のガレオン船のスペイン艦隊に奇襲された。
この時、10隻の船団のうち8隻の船が沈められてしまう。だが港口の近くに停泊していたドレークの船は、いち早くこの難を逃れることができた。
ホーキンズは、もう一つの生き残った船《ミニオン号》に乗り込んで本国イギリスに帰ったが、ミニオン号に乗っていた船員300人のうち、生き残ったのはわずか15人であった。ホーキンズは自分達を見捨てて逃げたドレークを、裏切り者だと非難した。
だがイギリスの有力者の間には、命からがら戻って来たホーキンズよりも、無傷で帰ってきたドレークに注目する者が多かった。
その事で引退する決意を固めたホーキンズに代わり、ドレークが後援者を得て再び新大陸に赴くことになる。
1570年た1572年に、ドレークの船団が中南米を荒らしたという記録が残っている。