お話

□生きるのを諦めないー杉元ー
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二人が話した夜から数日が過ぎ、杉元たちは網走監獄侵入の為に話し合い作戦を立てた
そして決行の夜、月の光が無い日が来た
「佐一さん、私も一緒に行きたい」
「ダメだ、危険だから…」
「危険なんて承知の上だよ!…それに、私も力になりたい」
「杉元、冠も連れて行こう」
「…分かった。二人は俺が守る」
渋々ながら頷いた杉元に感謝し、皆に作戦の確認をする
都丹を先頭に闇夜を歩くことになったが早速見つかってしまうが即座に男たちの行動を止める
気絶させた男たちをキロランケと牛山に任せ進む
風が強いお陰で都丹の舌の音は外にいる看守に気付かれず、のっぺらぼうがいるという五翼放射状平屋に辿り着いた
アシリパが縄のついた矢を放ち縄を伝って天窓の枠を外そうと試みる
「音が…音が…!」
「だぁいじょうぶだって、聞こえない聞こえない」
ゴリゴリメキメキという音が看守に聞こえていないことを祈り遂に枠を外した
白石と杉元は器用に降りていく、アシリパは縄に繋がれたままブラブラと荷物のように降ろされた
冠も聖詠を唱えて降りようとしたが一瞬光に包まれるためやめておいた方がいいと言われゆっくりゆっくり降りる
杉元に抱きとめられ一行はのっぺらぼうがいると思われる第六六房の鍵を開けた




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