☆憧れの人の隣☆
□第20話
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彩side
今日の部活で夢莉と百花が2人でおる姿を見てから、なんとなく、夢莉と百花にうまく接することができない。
夢莉からしたら何のことか分からんやろうし、また変に距離をおいてしまっては前みたいに話せなくなってしまうかもしれない。
やから帰りはなるべく普通にしようと思った。
ほんまは一緒に帰るのも今日は嫌やなって思ったけど、でも夢莉のそばに居たいと思う気持ちもあるからな、、。
「、、彩さん、今日疲れてますか?」
「え!?」
「すみません、、でもなんか、部活中もいつもとちゃうなって思って、、」
気づいてたんだ、、
私のこと見ててくれたのも、変化に気づいてくれたのも嬉しかった。
やけどその理由なんて言えるわけもないから何でも無いかのように元気に振舞った。
「そんなに私のこと見とんの~部活に集中しいや!」
「、、、、」
「ん?夢莉?」
「、、彩さん、やっぱり無理してますよね?
私には言えんことかもしれんけど、でも、私は彩さんにそんな顔して欲しくないです、、」
「、、夢莉、、、」
「百花先輩がイベント当日の写真、百花先輩だけを撮ってほしいって言ってたんです。やけど私はみんな撮るって言いました、、そしたら、百花先輩が、、彩さんだけは撮ったらアカンって言ったんです。」
「え?」
「理由は教えて貰えませんでした。
それってやっぱり彩さんに聞くのもダメですか?」
「いや、私もわからん、、」
いや、たぶん百花は夢莉に本気で恋したんやろな。
昔から私と百花は周りからの声とかもあって対立しがちやったから、たぶんそれでライバル意識みたいなので、私を撮らせんようにしたんやろ。
やけど、私やって本気やし。
てか麻央はどうなんねん、百花たちって付き合っとったんちゃうの?
わからん、、
「、、私は、、彩さんを撮りたいです、」
「え?」
「あ、いや、変な意味はなくて、、その、歌ってるときの彩さん、ほんまに輝いて見えるから、、」
「そ、そっか、ありがとうニコッ」
「は、はい、」
少しだけ期待してしまった。
てか今日の夢莉、なんか変ちゃう?
こんなにも耳まで真っ赤に染めて、、これじゃあまるで夢莉が私のこと好きみたいやん、、
いやそうであってくれたら嬉しいんやけど、やっぱりかってに勘違いして振られるのが1番しんどいからなんも考えんとこ。
「百花が言うてたことは気にせんで欲しい。」
「は、はい、、」
「夢莉は夢莉が撮りたいものを撮ったらええよ。」
「ありがとうございます」
「うん、、あとさ、いややっぱなんでもない。」
「え、なんですか、言ってくださいよ」
今回、バンド部のイベントに写真部も協力してもらうことになった経緯をほんまは伝えたかった。
自分がどうしても高校最後の部活の思い出に大好きな夢莉も加わって欲しかったということ。
もし今回のが上手くいって写真部のみんなが協力してくれると言うなら、卒業までの残りのイベントも写真部に協力して欲しいということ。
言ってしまえば、遠回しに自分の夢莉への気持ちを伝えることになる。
まだ自信が持てへんからもし振られて今の関係が壊れるのが怖い。
やから今はまだやめておこう。
「ん~今やなくてもええかな笑」
「え~めっちゃ気になるやないですか~」
「たいしたことやないで?
なんで写真部に協力してもらおうと思ったかを夢莉に言うとこっかなって思ってん、でもまぁ知ったところでって感じやろ笑」
そうだ、知ったところで気まづくなるだけや。
夢莉を困らせるだけや。
「え~知りたいです、実は少し気になってたんです笑
今までには無いことやって聞いたし。」
「ん~じゃあこのイベントが成功したらな?」
「え、そんな先延ばしですか!?笑」
「ええやん楽しみ増えるで〜笑」
「そうですけど、、笑」
なんて明るい雰囲気で会話ができてたからよかった。
いつか言えるときがきたらええな。
そんときは夢莉が良い返事をしてくれるように、夢莉に少しでも好きになってもらえるように頑張らな。
そんな話をしてたら、もうそれぞれの家の近くについたので夢莉とは別れた。
あとは、百花やな、、聞いてみよ。