☆憧れの人の隣☆

□第19話
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彩side


普段は部活をサボりがちというか、ほとんど部活に顔を出さん部員がバンド部には1人おる。

"木下百花"

女子なのにイケメンで同級生からも後輩からも、去年やったら先輩からも人気者やった。

まぁ付き合ってるかどうかは知らんけど、一応百花には"三田麻央"っていう彼女がおる。

それでも百花はチャラいから麻央を放って他の女の子と遊びに行くことも日常茶飯事だ。

そんなんでもイベントの前ってなったら部活にも顔を出してもらわなあかんわけで最近は部活に来るようになってんけど、今更になって後悔することになった。

百花は可愛い子にはすぐ手を出す癖があんのを忘れてもうてた。


「なぁ~夢莉ちゃん、写真部やめてバンド部入りいや!
ほんだら私ちゃんと毎日部活行くかも~」

「え、何でですか?」

「ええやん?ちょっと気にってん笑」

「はい?」

「ちょっと百花さん、夢莉には手出さんといてくださいよ~夢莉はまだまだ純粋やねんから!」

「おっ、奈々~久しぶりやな、中学以来やわ笑」

「ほんまですね、相変わらず変わってない。チャラいところも彩さんに継いで人気あるところも笑」

「彩とは比べんなよ、私は彩とは勝負はしやん」

「負けるから?笑」

「奈々いつから生意気なってん笑」

「生意気では無いですよ?百花さんだけです笑」

「それが生意気やねんて笑」

「とりあえず、夢莉には手は出さんでくださいよ~」

「分かった分かった」



奈々が止めに入ってくれてよかった。

百花はチャラいけど本気で惚れ込んだら、マジで周り見えんくらいに一直線やから相手も百花に惚れることが多い。

その対象が夢莉になってしまったら、私は百花には叶わん気がするから。

やけどなんかモヤモヤする、ヤキモチってやつなんかな、、部活どころやなくて夢莉のことで頭がボーッとする。

そしたら一瞬、夢莉と目が合った気がした。
ほんで、夢莉がこっちへ来るかのように歩き出したとき、また百花が夢莉に話しかけてた。

何を話してるのかまでは聞こえんかったけど、さっきまでいた奈々はもうどこかへ行っとって百花と夢莉のとこにはおらん。

それにさっきよりも夢莉が百花と楽しそうに話しとる気がした。

それをみるのが嫌で私は部室の奥の方におる愛梨たちのほうに逃げた。
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