☆憧れの人の隣☆

□第17話
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彩side


昨日、久しぶりに夢莉と話せて、一緒に帰れて、しかもこれからも帰りは一緒に帰る約束までできた。

幸せ者w

実は3週間後にバンド部は演奏会を控えてる。今回の演奏会は学校内じゃなくて、外部の人も見に来れる会やから大分の大掛かり。

有難いことにうちのバンド部は他校や地域の人からも人気あるらしいから大成功で終わらせたい。

それで今回は私のわがままで、ステージの準備と当日の証明&写真係をうちの写真部に頼んだ。

今までそんなこと無かったけど、もう3年やから全てのイベントが最後や。

どうしても夢莉と一緒にやりたかった。

バンド部のみんなは察したらしくあっさりOK出してくれて、顧問も写真部がええなら良いと言ってくれた。

写真部の方はと言うと、部長が由樹やからまぁなんとなくOK出るやろうなって思ってたけど、予想以上の即答だった。

由樹は大喜びして私んとこ来たけど、由樹には申し訳ないが私は夢莉のことしか頭にないよね、ごめん。

昨日の帰りといい、今日の朝の写真部の返事を顧問から聞いたのといい、今日の私はテンションが高い。

朱里にはだいぶうざがられてるけど、まぁ朱里やしええかなって思ってます。

お昼は安定の屋上で朱里と食べようと思ってたけど、テンションが上がってるせいか今日は中庭で食べたくて朱里を強引に誘って中庭へ向かった。

朱里はマジか、と言いながらもついてきてくれるから甘えてまう笑



「彩、あんた今日もコンビニかよ笑」

「せやで~」

「あんたのお母さん知ったら絶対一人暮らしやめてこっち帰って来いって言うで、実家からも通える距離なんやし!」

「え~めんどいわ笑」

「現に私と奈々や梓はそこから通ってんねんで笑
中学までむかえの家に住んでたんに一人暮らしするから遊び行くのも大変やん笑」

「ええやん、学校帰りよく寄って帰ってるやん笑」

「まぁいい休憩場所やけど、やたら高いマンションやしな笑」

「うち金だけは持ってるからな笑」

「ほんまにそれ辞めや~事実やけどやたらと言うな笑」

「は~い、、おっ、このカツサンドうっま!!!」


ザワザワザワザワザワ


「はい、そろそろ来たよ、あんたのファンが。
これやから屋上でひっそり食べてたかったんに~お昼くらい静かに食べさせてよね、何とかして!笑」

「えぇー」



そうだった。忘れてた。


中学んときから謎に同校にも他校にも私のファン?的なのがおるらしくって、前にお昼を中庭で食べてたら囲まれまくって、なにも食べれずに昼休みが終わったという経験があったんや。

次の日からは、食堂やら教室やらありとあらゆる所で食べたけど、謎にいつもバレてご飯食べれなくて、それから、朱里と2人で屋上で静かに食べてたんよな。

屋上だけは唯一バレなかったところ。

最初の方は学校中を探し回ってる子達がおって、屋上からその子ら見てるのもひとつの楽しみやったけど、自然と探す子もおらんくなったんよな。


どうすっかな笑


「「「さやかさーん!!!」」」

「さやか!一緒に食べへん?」

「「私達のご飯食べませんか?自分で作ったんです!!」」

「「「彩さんこっち向いて!」」」

「「「キャーーー!!」」」



もう何言うとるか分からんわ笑

てか、後輩に憧れられんのは悪い気もせんけど、同級生からってどうしたええんよ笑

コレが女子校の特徴何やろうか。
それとも難波女子学園だけ?

どっちでもええけど何とかせな。



パーッと見渡すと夢莉の姿を見つけた。

でも夢莉は私の前で騒いどる子達から少し離れたベンチでこちらを見ながら、奈々、彩希、梓ちゃんの3人と一緒に弁当を食べてた。

個人的にはあっちに行きたい!!
って気持ちが勝ってしまいすぐさまここを離れる準備をする。



「弁当ありがとう!でも、自分らの無くなるから自分のは自分で食べや!笑
ようわからんけど、なんかみんなありがとう笑
そうだ、月末に毎年恒例のバンド部の演奏会あるから良かったら見に来てな、ほんじゃあ急いでるから!!ニコッ」


そう言って朱里に視線を送りその場を立ち去った。


後ろの方で
「はい!!」「ありがとうございます!」
「やった~彩さんから誘われた~」
なんて声がしたけど聞こえない振りをしといた。


このまま夢莉んとこ行くと、夢莉が目付けられたり知るのも嫌やし、迷惑かけたくなかったから少し遠回りしてみんながまだ騒いでる間に視界から消え、夢莉たち4人の元へ朱里と向かった。



「もう~彩もほんまに自由人ww」

「いや、自由人てw」

「誘ってくれてる子断って、別になんも言うてない子のとこに行くとか笑
もう夢莉のこと好きすぎやわ!」

「好きすぎてわるいね笑」

「認めんのかよ笑」

「まーね笑」

「ほら、はよ行かな夢莉たち食べ終わるんちゃう?」

「え、急げ!!!」

「笑笑 大袈裟やな笑」



走って向かった先にはまだ4人の姿があった。

どうやら弁当は食べ終わってるらしい。

一緒に食べたかってんけどな、それはまた今度か。

話しかけてええかな~どうしよ、てか朱里どこ行ってん!!

周りを見渡してるとスマホの通知音がなって、ぱっと見ると、
「そっち行っても最終彩と夢莉2人になるやろうから愛梨達んとこ言っとくわ。頑張りや!笑」
というLINEがきていた。

うわっまじか、、

どうやって話しかけようか迷ってると



「あれ、彩さん?何してるんですか?」

「え、おぉ奈々!笑」

「噂をすれば登場かww」

「梓、それ以上言ったらしばく笑」

「彩さん、夢莉が怖いです~笑」

「え、なに噂?」

「なんでもないですよ、それより彩さんなんでここにおるんですか?
さっきまで凄い人だかりやったのに笑」



あ、濁された。

噂ってなんやろ、夢莉が私の話でもしてくれてたんやろうか。それやったら嬉しい。



「たまにあんな風になるんよね笑
特に何かって訳やないけど、、まぁね、うん笑」

「まぁ、うん、って彩さん怪しすぎ~
夢莉に用事ですか??笑」

「ちょ、奈々!そんな訳ないでしょ!
彩さん困らせないでよ!!」


夢莉は顔を赤くしてめっちゃ否定しとるけど、実はそうですよ。夢莉と話したくてこっち来たんやでってまぁ言えへんけど。

顔赤くなっててもそれを確信に帰られへんねん、夢莉になると。前のボウリングの次の日に一緒に登校したときもそうやったし。やから自信持てへんから素直に言えへんねんな。


でも少し、冗談っぽく言ってみてもええかな。


「そうやで~夢莉と話したいことあってんな~笑」

「ほら!嘘やないやろ?って彩さん!!
彩さんそんなにサラッと言えるタイプでしたっけ?」

「奈々、そんなこと言わんといて」
と小さい声でゆうと、「すみません」って小さい声で返された。

夢莉は夢莉で私の言葉に驚いてるのか、あまり奈々の言葉の意味を理解してない。

よかった、知られたら私の気持ちまでバレる。



「え、彩さんがわたしにですか??」

「う、うんまぁ笑」

「えーっと、、」



どうやら夢莉はいまだ困惑中w



「まぁまぁ2人で仲良く過ごして下さな笑
でも中庭で2人っきりやとさっきみたいなのが迷惑やろうから、私らまだここで話したいし、人目につかんところで喋ってきてください笑」

「じゃあ夢莉借りるな笑」

「え!?」

「行こっ」



そう言って、夢莉の腕を引っ張った。



「「「夢莉~行ってらっしゃい~」」」
と3人が声を揃えて言ってたけど夢莉はまだ驚いててなんも返してなかった。

そのあとに、
「彩さん頑張ってくださいね」と奈々が小声で言うてくれて、奈々にはほんまに感謝しかないなって思った。
















人気のないとこって言っても、屋上まで行くにはさすがに遠すぎたから、体育館裏に来た。

夢莉はいまだ困惑中。。

なんかそんな姿も可愛いなって思う。



「ごめんな、みんなと話してたんに」

「え、いや、それは大丈夫なんですけど、、」

「けど、?」

「いや、その、ほんまに最初から私と話すためにおったんですか?もしそうやないなら、他の用事があるんじゃ、、」

「アハハ、ないよ笑」

「え、でもさっき、急いでるからって囲まれてたとき、、」

「聞かれてたんか~そうやで、夢莉と話したいな思って笑」



つい口から本音が出てしまったけど、ちょっと正直すぎかもしれん。

冗談って、誤魔化したほうがええかな。



「えっと、それはつまり、、」

「もう~緊張してんの?それとも驚きが続いてる?笑」

「どっちもです、、」

「アハハ 夢莉ってなんか意外やな、いつも冷静タイプかと思ってたけど笑」

「からかってますか??笑」

「別にからかってる訳ちゃうで~?笑」

「絶対からかってますよね!!!笑」

「だって夢莉可愛いやん笑」

「また言った~すぐ言いますね彩さん笑」

「事実やろ?笑」

「私なんかより彩さんのほうが何百倍も可愛いですよ!」

「あ、ありが、とう、、///」

「あれ、彩さん照れてますか?笑」

「おい、先輩からかうなよ~笑」



やっぱ夢莉とおると楽しい!!

そりゃ可愛いこと言うてきたり、めっちゃ照れてたり、急にいじってきたり、こっちの感情は激しいけど、それに振り回されるのも夢莉やったら悪くないなって思える。

って私好きすぎな!!笑

結局、自分の口から伝えたいって思ってたイベントのことは話す時間もないくらい会話が弾んでて、気づいたら午後の授業が始まる時間になってたから途中まで一緒に校舎に戻り夢莉とは別れた。
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