☆憧れの人の隣☆
□第15話
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靴を履き替えて、校門の前で待ち合わせをする。
どうやら先に彩さんが校門についていたっぽくて、待たせる訳には行かないので少し早足で校門に向かう。
もう少しで彩さんのとこに着くってときに、彩さんが誰かに声をかけられていた。
あれは、、由樹さん?
どうしよ、今あそこに行ったら色々大変なことになりそうやしな。
でも、由樹さんが彩さんのこと好きって分かってて2人で居させんのってただのアホよな。
話してる内容が気になってバレないように2人に近づいた。
「彩~何1人で立っとんの?笑」
「お、由樹か、一緒に帰る人待ってんねん」
「え~一緒に帰ろうと思ったんに~」
「悪いけど由樹とは帰れんよ」
「じゃあ明日は?明日予約しとく!!」
「あかん、たぶん今日からずっと同じ人と帰るから。てか、そうできるように頑張るから」
「好きな人ってこと?」
「どうやろな、由樹には言えんわ」
「、、、そっか、、まだ好きでいてもええ?」
「それは勝手にしてええよニコッ」
「ありがとう」
「こっちこそ、、あ、ちなみにやけど、夢莉って写真部入ったんか?」
「夢莉!?あ、うん、なんで?」
「いや、今日、写真部の部室から出てきたん見えたからさ」
「知り合い?」
「前になバンド部来てくれとったから、どこはいるんかなーって笑
あ、そろそろ来ると思うし由樹また明日な!」
「え、う、うん、、」
彩さん、私が何部に入るかなんて気になってくれてたんや。自分のことを気にしてくれてるってだけで嬉しく思う。
てか明日から一緒に帰るって、私と?
いや、それは絶対に有り得んよね、、でも、今日からってことはそゆことやんな?
てか、由樹さんおいて校門から離れたけど、どこ行くんやろ。私以外の誰かと帰る予定立てちゃったんかな。
「隠れて盗み聞きは良くないな~」
「え?」
後ろを振り返るとさっきまで校門前で由樹さんの喋っていた彩さんが私の後ろにおった。
「さ、さやかさん!!!」
「ビックリしすぎ笑
いつから聞いとったん?」
「えーっとそれは、、由樹さんが話しかけたときからです!」
「ほぼ最初からやんけ!!笑」
「す、すみません、、」
「いや、ええけど、、なんで来やんかったん?
私が隠れてる夢莉に気づかんかったらずっとあの状態やったやん」
「いや、その、行ってええのか分からんくて、」
「ふふっそっか、なんか夢莉らしいな」
「え?」
「いや、夢莉っていつもそうやな~って」
「え、いつもって、、?」
「いや、なんでもない、、はよ帰ろ」
「え、あ、はい!!」
何やろ、校舎のか中で喋ってた彩さんとは雰囲気が違う気がする。
めっちゃ話してくれるし、彩さんにはそんなに戸惑いのようなものはない。けど、たまに見せる焦りみたいなのもあって、、。
さっきも"いつも"って言葉にめっちゃ焦ってたし。
でも沈黙になるよりかはええか。
そう思い、彩さんの隣を歩く。
あの日の文化祭からずっと憧れて、気づいたら恋心を抱いていた先輩の隣。
入学式の次の日に一緒に登校した日以来やな、彩さんの隣を歩くのは。と思い、隣を歩くのを噛み締めながらそっと彩さんに目を向けると彩さんもこっちを見ていた。
もちろん、すぐ逸らされてんけど。
「彩さん??」
「え、いや、夢莉なんか変な顔しとったで」
「!?え!!ほんまですか?」
「うん、なんかニヤケてた笑」
「それでずっと見られてたんですか?」
「え、あーそうやな笑」
「恥ずかしい、、」
「あのさ、さっき由樹と喋っとったのって全部聞こえてたんよな?」
「え、あ、はい、すみません、、、」
「いや、それはええねんけど、、その、これからも一緒に帰るみたいなのも聴いてた?」
「あ、はい、、」
「あかんかな、一緒に帰りたいねんけど、、」
「え、私ですか??」
「あ、いや、別にあかんならええねんけど」
「いや、ダメとかやなくて、むしろ私なんかでええんかなって、、」
「夢莉と帰りたいって言うてるやん笑」
「ですね、是非!お願いします!!」
「ふふっありがとう!」
「こちらこそです!!」
これからも一緒に帰る約束ができて1人で舞い上がっております。
それに、話してるときの彩さんの顔が少し赤く染まってたのに私は気づいて、なんとなく、期待してもええかなって思えた。
でも、気になることもある。
なんで一緒に登校した日から今日までの間、距離を置かれてたかってこと。
聞いてもええかな。
「あの、、ひとつだけ聞いてもええですか?」
「え、あ、どうぞ?笑」
「勝手な思い込みとかやったらええんですけど、一緒に登校して貰った日からなんか避けられてる気がして、、、その何でかなって。また一緒に帰れるってなって嬉しいんですけど、急やったし、、ちょっと気になって、、すみません。」
「夢莉ってすぐ謝るくせあるよな」
「え?」
「まぁそれはええけど、その、距離置いてたっていうか、避けてたのは、、そのさ、あの日の会話覚えとる?」
「あの日の会話ですか??」
「うん」
ー過去ー
今度、夢莉の家に遊びに行くって話をしてたとき。
「ええの?」
「あかんかったら言いませんって笑」
「ふふっじゃあ今度お邪魔するわ!」
「はい!!!!」
「めっちゃ笑顔やん笑」
「だって、そりゃ、まぁ、、」
「ん~何やねんそれ!笑
ほんまに夢莉はすぐ顔赤なんな、そんなやったらみんな勘違いすんで~可愛すぎやからな笑」
「すぐに、、赤くなるのは、、その、
彩さんやからですよ、、、それに、、彩さんやって、、可愛いとかすぐ言うじゃ、ないです、か、、」
「!?
可愛いのは、事実、やし、、夢莉にしか言うてへんから、、それと、私やからってのは、、その、どういう、、」
「、、え!?
えーっと、、、特に、、深い意味はないです、よ?フフッ」
「で、でも、その、、」
「彩さんやって冗談ですよね??笑
そりゃ緊張はしますけど、彩さん先輩やし、みんなから好かれとるし、、だから赤くなるのかもですね笑」
「そ、そっか、、、」
なんとなく思い出せた、気がした。
そっか、あの後から喋れなくなったんか。
「覚えてます」
「あんときな、なんか私へんやってんな。
夢莉の言葉聞いたとき、これ以上夢莉の近くにおったら自分は夢莉のこと壊してしまうかもしれんって思った。まぁそれは自分の気持ちがさ、なんやろ、夢莉のこと、、、いや、それはええねんけど!
でもな自分から避けといて夢莉と話せへんのがなんか嫌やなって思ってん。なんか、変なこと言うとるけど、そんな感じかな。」
「、、、そうだったんですね、」
「うん、、引いた?」
「引くはけ無いやないですか!!
むしろ安心しました、嫌われたのかなってずっと思ってて。その、、私は、、彩さんのことが、、彩さんが、憧れの先輩なので!!
実は去年の文化祭に梓と来とって、バンド部の舞台見て彩さんに憧れたんです!!やから嫌われてなくてホッとしました。」
「あこがれ、、か、、」
「え?」
「いや、そんなこと思って貰えてるとは思わんかったから嬉しいよ、ありがとう!」
「はい!!!」
正直、彩さんが言ってくれたことには、つまりどゆこと?って突っ込みたくなるとこいっぱいあって、結局ハッキリとした理由は分からんけど嫌われたわけやなくてよかった。
それと、思わず伝えてしまった、自分が憧れてたという事。
一瞬、顔が曇ったようにも見えたけど、その後笑って喜んでくれてたから良かったんかな。
いつか、今は"憧れ"を超えて"大好き"って言葉をそれが恋愛対象としてってことを伝えられてらええな。
さすがにそれは無理か、、同性に恋とかキモイって引かれそうやしな。
でも女子校なら有り得るってゆう。
現にこの学校の中でも同性同士で付き合ってるカップルは幾つかあるわけやし。
彩さんに抵抗が無ければ、、な、、。
それからは家までくだらない話で盛り上がって、いつもは長く感じる帰り道もすぐに家に着いてしまった。
「じゃあね、」
「はい、彩さん、気をつけて下さね」
「ありがとう」
そう言って別れた。
彩さんとまた話せて、これからの約束もできたことが嬉しすぎて1人になってから玄関の前で笑みを堪えるのに必死やった。
だってこのまま家に入ったらまた入学式の時のように、お母さんのテンションがまた変になる気するし。笑