☆憧れの人の隣☆
□第13話
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夢莉side
バンド部へ部活見学に行った日から3日が過ぎた。
私は何部に入ろうかまだ悩んでいた。
梓と彩希ちゃんは帰宅部にするみたい。
奈々ちゃんはバンド部に届けを出していた。
私は特にやりたいことは無いけど、高校生活で部活はやりたいな、みたいな感じやから正直、彩さんとおなじバンド部に入りたいって思ってたけど、、、
あんなにハッキリ言われてしまってわ、いくら朱里さんたちがフォローしてくれた事がほんまの事やとしても諦めずにはいられなくなる。
「あーあー、どうしよ、」
「なに!?夢莉ちゃん悩み事!?」
「んーぶかつ」
「え!それなら私と一緒にバンド部入るんかと思ってたわ笑」
「なんでよ!笑
私、1回もゆうとらんくない!?」
「いや~だってさ夢莉ちゃんって彩さんのこと好きやろ?笑」
「え!?!?」
「そんなビックリせんでも笑
大丈夫!誰にも言わんから!!」
「それもやけど、、なんで?」
「そんなん分かるわ~同性に恋しとんの一緒やねんで!!朱里さんや梓ちゃんに相談するよりよっぽど相談相手になるやろ?笑」
「ま、た、たしかに?笑」
「バンド部入ろうや~~」
「で、でもさ、、」
「君たちは1年生??」
「「え!?」」
「急にごめんね、部活の話しとったからもしかきたらまだ入っとらんのかなって笑」
「私は決めてます!」
「わ、わたしは、、」
「はい、君なんて名前?笑」
「太田、、夢莉です、、」
「君が噂の太田夢莉ちゃんね、よろしく!
私は写真部の部長してる東由樹、ね~よかったら今日見学来てみない?」
「写真部ですか?」
「うん!どうやろ?無理にではなくてええんやけど」
昔から景色とかそうゆうのは写真撮るのが好きだったな~行くだけ行ってみるのもありかもしれない。
「行きます」
「え、夢莉ちゃん!?私とのバンド部入るって約束は~」
「ほんまに!?じゃあ是非おいで!!
ちなみに部室はバンド部の隣やねん、やからもしお友達と同じの入る予定やったとしても大丈夫やで!笑」
「隣なんですか!?」
「うん、だからさ私、バンド部の子とたまに一緒に帰ったりしとるし!笑」
「そうなんですね笑」
「まぁ放課後待っとるね~」
「は、はい!」
写真部か。
アリかもしれない。
空とか影とか何気ない日常を撮るのが好きだから。特別なものじゃなくてありふれた日常のなかにある1枚を撮るのが。
写真部なら常に写真を撮るんやろうし、きっと普通の日常のなかの1枚をいっぱい撮れる気がした。
「ね~夢莉ちゃん聞いてる?」
「え?」
「行きます!とか言っちゃってたけど大丈夫?先輩やからとかで断れんかったんちゃう?」
「全然!私好きやってん写真撮るの。
昔よく撮ってたの思い出してだからほんまに入ろうかな~って」
「えー夢莉ちゃんとバンド部入る気満々やったんに!!」
「それは奈々ちゃんだけね笑」
「でもええの?彩さんは。」
「、、、いいの、、だって隣なんでしょ?」
「やけど隣やからってさ、、、」
「大丈夫!部活ちゃうくても普通に話せるように頑張るから笑」
「、、そっか、」
なんとか明るく振舞ったけど、私にはそんな自信なんてない。
今でさえ一言も喋れてないし、むしろ嫌われてるのに、どうやって普通に喋れるようになるってゆんだか。
けどそんなのよりも怖かったんやと思う。
バンド部に入って仲良くなれるなら、"好き"の形が私のとは違くても、後輩として好きにって貰えるのならそりゃバンド部に入りたい。
でも、もしバンド部に入っても今のこの状況が続いたとしたら、私は部活を続けられる自信なんてない。
部活に行って、毎日自分の好きな人から避けられる。
そんな生活になるくらいなら今のままでいいと思ってしまった。