☆憧れの人の隣☆
□第12話
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朱里side
こないだあまりにも彩が落ち込んどるから、あの彩から笑顔が無いから、心配になって聞いたらどうやら夢莉となんかあったらしい。
てか彩がこんなに人との関係で気持ちが左右されるなんて今まで無かった。
ちょっと冗談交じりで聞いたら、あっさり教えてくれた。
彩は夢莉に恋しとるらしい。
ほんで、こっそり梓に頼んでみると、全く同じ状況に夢莉もなっとるらしい。
いや、そっくり過ぎやろ。
まぁ何となく分かる。
夢莉と彩は似とるとこあるからな、なんて言うか、自分より相手の気持ちを考えて自分の気持ちを塞ごうとするとこ。
でも考えすぎて行き違いになんねんな。
まぁこういうときの私ら従兄弟なんですけど笑
てことで、梓と作戦を立て、何としても2人をくっつけることにした。
第1段階としては、とにかく彩と夢莉が前のように喋れる関係にすること。
これさえ出来れば自然と2人もくっつくかもしれんし、喋れなきゃ永遠に無理やからな。
入学式から1週間経つと、新入生の部活動見学が始まる。
そこで梓と奈々ちゃんには話して夢莉をバンド部に連れてくるように仕向けた。
梓ちゃんにも言うか悩んでんけど、梓ちゃんはそういうのに鈍いし何より奈々ちゃんからしたら同性を想うっていうのを梓ちゃんがどう思うかの反応を見るのが怖いってのもあった。
ー当日ー
なんとか夢莉をバンド部に連れてこれてんけど、凄い空気になってしまった。
まさかの愛梨の発言により、彩が焦ってるのは誰が見ても分かるくらいやった。
愛梨と城にも伝えとくべきやったかな、、
でもここまで来たらしゃーないよな。
一か八か、私は彩に夢莉の話題を振ることにした。
朱里「夢莉はさすが人気者やな~
な、彩?ニヤ 夢莉あんなに告られとんのに付き合わんって好きな人でもおんの~?ニヤ」
彩「、、、」
夢莉「そんなこと、ない、ですよ?
好きな、、人は、、、」
彩「、あ、あれやろ、いくら女子校やからってな、同性と付き合うとかって感じやろ?」
夢莉「え?」
彩「いや、べつに、、」
夢莉「、、サ、ヤカ、サン、、」
彩「あ、奈々、、久しぶり!笑」
やってしまった、、これは失敗やな、、
夢莉はきっと気持ちを伝えようとしてたと思う。
でも彩がそれを遮った。
たぶん彩も分かってたよな、あそこで夢莉が好きな人の名前を口にするのは。
それを聞くのが嫌だったんやろな、彩は夢莉の好きな人は自分ではないと思っとる。
そして、彩は奈々ちゃんの方へと行ってしまった。
夢莉をみると、今にも泣き出しそうな顔をしてた。無理もないよな。
夢莉からしたら彩の口から"同性を好きになるなんて"という言葉を聞きたくなかったはずだから。
きっとそれが1番2人を遠ざけてる理由でもあると思うから。
とにかく今は夢莉を何とかしようと思い、私は梓と2人で夢莉を部室の隅の方に連れてった。
彩も夢莉もお互い自信が無いんやろな。
同性やしそうになってしまうのも分からんくもない。
でもこのままじゃ何も変わらんしはじまらん。
いまの状況を作ってしまったのは、間違えなく私やから、少なくとも元に戻すまでのことをするのは私の責任や。
何としてでも2人の関係が良くなるようにしたい。
そう思った。
「、、夢莉?」
「、、、、」
「夢莉はさ彩をなんで好きになったん?」
「自分でも不思議なんです、、、
自分から人を好きになるなんて今までじゃなかったし、それがどういう感情なのかも、、、でも彩さんを見るだけで1日幸せって思えるんです。変ですよね、、」
「変なんかじゃないで?」
「でも、、、」
「でもやない!」
「でも!彩さんは同性とか見向きもしないですよ、あんなに人気者なのにわざわざ同性選ぶ理由なんてないじゃないですか、」
「それはどうかな~」
「え、?」
「彩な、人気者なのは確かやけど今まで付き合ったことないで?」
「!?」
「めっちゃ驚くやん笑
まぁこんなん言うたらアレやけど、寄ってきた子と遊び行ったりとかってちょっと遊んではいたけど、"付き合う"って関係は持ったことないな~」
「なんでですか!?」
「彩が本気になれる人に出逢えてないから。でもな、夢莉と出逢ってから彩めっちゃ楽しそうに見えるのは私だけかな~笑」
「そんなことないと思います。
むしろ目が合うと悲しそうな顔して目逸らされとるし、、」
「ふ~ん」
「、、、」
「あ、ひとつだけ言うとくな?
彩は同性愛に抵抗はないと思うで、BLとか好きでよく漫画読んどるし笑」
「そ、そうなん、ですか、、」
「ふふっうん笑
部活始まるしほな行くな!梓あとは頼んだよ~」
「あ、はーい!!」
ったく、彩がちゃんとせんからこんな可愛い子を泣かせることになんねんな。
夢莉は可愛いし気抜いとったらほんまに違う人と付き合ってまいそうやわ。
それは彩もか、、、
部活が始まりそうやからあとは梓に任せようと思ったら、さっきまで一緒に夢莉の横におったはずの梓が奈々ちゃんと彩希ちゃんのほうに行っとって、まったく自由人には叶わんわ笑
私が何とかせなな。