☆憧れの人の隣☆
□第11話
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彩side
入学式から1週間が過ぎた。
新入生のオリエンテーション期間も終わり、先日から部活見学が始まった。
私は、バンド部に所属してる。
部員は、3年の吉田朱里、谷川愛梨、木下百花、私と2年の城恵理子の5人だ。
私ら3年が引退したら、城1人になってまうから今年は本気で勧誘せなあかん。
ちなみに、
私がボーカル&ギター
朱里がタンバリン系
愛梨がベース
城がドラム
百花はそんなに部活には来やんから、、
「彩さ〜ん」
「ん、城?」
「なにボーッとしてはったんですか?笑」
「え、あぁ1年生の勧誘頑張らな、うちら引退したら城1人やなって笑」
「ほんまにそれですよ~最初は愛梨ちゃんがめっちゃ言うからしゃーなく入ったんに、もうドラムにハマりすぎて、、笑」
「そうやったな笑」
約1年前
城の友達てある三田麻央って子が百花に惚れ込んで、ただ百花を見るためだけに2人でバンド部の見学にきた。
まぁ城は付き添いって感じやったし部活に入るには無かったらしい。
結局、三田は他の先輩の勧めでアニメイト部に入った。
絵を描くのが得意やったし、何よりアニメイト部はバンド部とコラボすることが多いから三田にとっては好都合やったと思う。
やけど、それで部活見学にきた城に、愛梨が可愛い可愛いってなって、半強制的に城は愛梨に入部させられたんやったかな。
今は城も愛梨のこと好いてて、愛梨のことだけはちゃん付けやし。
ここは女子校やから女同士で好きとか言い合ってんのはしょっちゅうやし、ほんまに付き合ってるとこもあるらしい。
まぁ城と愛梨がどうかってのは分からんけど、仲がええのは確かやな笑
そんなことを考えとったらフッと夢莉の顔が頭に浮かんだ。
夢莉は何部入るんやろな。
「彩さん、めっちゃボーッとしとるやないですか?」
「え?、ちょ、考え事してて笑」
「まぁええですけど笑
新入生いっぱい入るように頑張りましょ」
「せやな!」
城と1年生でバンド部に入りそうな子をピックアップしながら部活の準備をする。
こういうとき、生徒会長はええねんな。
全校生徒の名簿を持っとるのは私だけやから笑
愛梨「彩~なに城とふたりで喋ってんねん~」
彩「お、愛梨!」
城「愛梨ちゃん、ほんまに嫉妬激しいな~」
愛梨「いいやん別に、城やってするやろ?
私が他の子と2人でおったら」
城「せーへんよ、」
愛梨「なんでよ~城~」
城「だって他の子とおっても愛梨ちゃんが私の事好きなん分かるんやもん笑」
愛梨「もう~城うるさい~」
彩「ほんまに仲ええな、2人は笑」
いつもやったらこれで終わりやっかな。
やけど、どうしても気になんねんな、
この2人の関係が。
城「そうですか?」
愛梨「そうやで~私ら両想いやからな!」
城「愛梨ちゃん、私は愛梨ちゃんのこと好きなんて一言も言うてへんけどな笑」
愛梨「いつもは言うやろ?」
城「今日は言うてへん」
愛梨「もう~城は素直やないな~笑」
彩「、、な、なぁ?」
城「なんですか、彩さん?」
愛梨「ちょ、私の話は無視!?笑」
城「愛梨ちゃん黙ってて笑 彩さんどうぞ」
彩「あのさ、2人ってどうゆう関係なん?」
愛梨・城「「え!?」」
彩「あ、いや、両想いとか言うてるけど関係はどうなんかなーって、付き合ってるとか?アハハ」
城「付き合ってますよ笑」
愛梨「え?」
彩「そう、なんや、、」
彩「ん?どゆこと?付き合ってるんよな?
なんで愛梨がこんなに驚いてんの笑」
愛梨「だってこないだ、、付き合うとかそういう形はいらんって言われたから、、」
城「それは付き合うっていう形の問題じゃなくてお互いが想いあってるってことが私は良いって意味で、、」
愛梨「なんでそんなかっこいい事ゆうんよ、
年下の癖に~また惚れるやんか~」
城「勝手に惚れててください~笑」
愛梨「もう~」
彩「でもほんま凄いわ、城は。
私にはそんなこと言える勇気なんて持てん」
愛梨・城「「え!?」」
彩「ん?」
愛梨「彩、好きな人おんの?笑」
城「それ私も思いました、彩さんに本命出来たんですか??笑」
彩「2人してそんな驚かんでも、、
てか城、それ半分ディスってるやろ?笑」
城「いや、ディスってはないですよ?笑」
ガチャ
朱里「みんな早いね~新入生連れてきたで~」
愛梨「朱里来んの遅すぎー」
城「さすが朱里さん!もう新入生ですか?笑」
城と愛梨は朱里にすごくいい反応しとるけど、私はそうはいかなかった。
だって朱里が連れてきた新入生の中には夢莉がおったから。
いや、タイミング、、
夢莉と喋りたいって思ってたけど、距離を置いたのは私の方で、やからなんて声をかけたらいいのかも分からず時間だけが過ぎてく。
もし夢莉がバンド部に入ってくれたら。
城「朱里さん、凄いですよ~みんな可愛い子ばかりやないですか~」
朱里「そこー?笑」
愛梨「城、私の前で言わんでや!」
城「あ、ごめんごめん笑」
愛梨「でも、確かに可愛い子ばかりやな~ねぇなんて名前?笑」
夢莉「お、太田夢莉、です!」
愛梨「夢莉ちゃんか~可愛いな~」
夢莉「、、あ、ありがとう、ございます」
夢莉、やっぱ人気者やな、、、
私はどうしたらええんやろ。
朱里「夢莉はさすが人気者やな~
な、彩?ニヤ 夢莉あんなに告られとんのに付き合わんって好きな人でもおんの~?ニヤ」
彩「、、、」
夢莉「そんなこと、ない、ですよ?
好きな、、人は、、、」
彩「、あ、あれやろ、いくら女子校やからってな、同性と付き合うとかって感じやろ?」
夢莉「え?」
彩「いや、べつに、、」
夢莉「、、サ、ヤカ、サン、、」
彩「あ、奈々、、久しぶり!笑」
夢莉が入学して1週間ですでに何人もの人から告られてることを知って焦った。
それと、夢莉の口から好きな人の名前が発せられるのが怖くて、勝手に口を挟んでしまった。
どこまでアホなんだろ、、自分が嫌になる。
夢莉が小さな声で私の名前を呼んでくれてたんは聞こえてたけど、話すのが怖くて、私は聞こえないふりをして奈々に話しかけた。
奈々「なんですか~彩さん!」
彩「いや、特に無いねんけど笑」
奈々「なんですか、それ、酷すぎますよ~笑」
彩「そういやさ、奈々って歌うの得意やったくない?入ってや、バンド部!」
奈々「私、彩さんほどうまく無いんですけど~
でも考えときます、彩さんとまた同じ部活なんて最高ですね!笑」
彩「なんやねん!それ!!笑」
奈々と喋っとるといつもの自分で居られる。
私が奈々と喋っとるとき、朱里と梓ちゃんに肩を抱えられながら部室の端の方へ行く夢莉を横目で見てた。
たまに視線がこっちに向けられてる気もしたけど、それが今の私を苦しめるんだ。
だって、今までは、、
今までは、自分から人を好きになったことなんてないから。
いつも向こうから迫って来てくれた。
だからこの人は私に気があんのかなって、なんか分かんねん。
夢莉はそれと同じ雰囲気なのに、夢莉に限って私に気があるわけじゃない。
いや、はっきり言われたわけじゃないけど、私自身が自信を持てないんや。