☆憧れの人の隣☆
□第10話
1ページ/2ページ
夢莉side
彩さんと一緒に登校してから1週間がすぎた。
入学式の日、私の高校生活はすっごく輝いたものになるんじゃないかと期待していたけれど、そんなことは無かった。
友達も沢山できたし、クラスにも馴染めて今までの私と比べたら楽しい高校生活を送ってるはずだ。
でもあのとき想像してたのは、憧れの彩さんとこれからも一緒に登校して、また出かけて少しずつ距離が縮まってくって、、そんなのを夢みてたのに。
あれから連絡はとってないし、勝手に毎日だと思い込んでた"一緒に登校する"ということもなかった。
すれ違うことはあっても声をかけられることはなかった。それどころか、避けられてるんじゃないかなって思うこともある。
「夢莉~なにボーッとしとんの?」
「梓か、、なに?」
「なに?じゃないよ、こっちが聞いてんの!
もう、どんだけ彩先輩のこと考えとんの?」
「え!?」
「夢莉から言わんから黙ってたけどもう限界。気になるんでしょ、彩先輩のこと。」
「なんで、、?」
「奈々ちゃんが言うてた。
私が彩希ちゃんを思う気持ちと同じのを彩さんに抱いとるような気するわって」
「、、、」
「夢莉、彩先輩のこと好きなん?」
「、、それは、」
「べつに引いたりせんよ?
私はどんな夢莉でも、あんたが親友なんは変わらんと思っとる。ちゃうんか?」
「、、梓、。」
「ん、言うてみ?」
「、、、好き。」
「ふふっ知ってるわ!笑
何かあったんやろ?全部言うてみ、力なれることもあるかもしれんし!」
「うん、、こないだ一緒に登校した日あったやろ、入学式の次の日。
あの時にな、もしかしたら彩さんも私の事好きなんちゃうかなって思えるような会話になってんけど、、私怖くて、冗談話に変えてん。ほんだらそっから会話なくなってもうて、、」
「うん」
「今は話せんくても、また一緒に登校したりできるって思ってたからそんときは、彩さんもなんとなく気まづそうやったし、何も話しかけんかってんよ。
そりゃ話したいこととかも沢山あってんけど。」
「うん」
「でもな、その日から連絡もとってないし、一緒に登校もしてへんし、すれ違ったりとかしてもな避けてるような行動取られんねん。やから、それで、、」
自分で言ってて悲しくなってくる。
結局は自分が悪いやん、、
「夢莉はさ、なんで怖くなったん?」
「だって私、恋愛とかしたことないし、
しかも相手は彩さんやで?仮に今ほんまに私のこと好きやったとしてもいつか、捨てられるかもしれん。あんだけ人気者で、しかも同性って、、」
「そうなんか、ニヤ」
「なぁ話聞いとんの?」
「え?聞いとるよ?笑」
「めっちゃ真剣な話やってんけど、めっちゃニヤけてるやん」
よう分からんけど、私の話を聞きながら梓はずっとにやけとる。
梓は普段めっちゃうるさいし、アホなことしかせんけど、こういうときはいつも真剣に聞いてくれててんけどな。
やっぱ同性好きとか笑うしかないよね。
「いや~だってあまりにもそっくり過ぎて笑」
「なにが?」
「夢莉がさっき言うてたこと、どっかでも同じこと話しとった人おったな~って思ってなニヤ」
「誰やねん、今そんな知らん人のこと気にしてる余裕私にはないねん、」
「う~ん、いいんちゃう?今はこのままで。
ほんまにあかんくなったら私らが何とかしたるから!」
「あ、ありがとう?
てか私らって誰やねん笑」
よう分からんけど、結局は支えになってくれるんやから梓には感謝やな。
正直、彩さんとのことがスッキリした訳ではないけど、梓のおかげで気が楽になったし笑えたからよかったでええよな笑