☆憧れの人の隣☆

□第9話
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彩side


今日から夢莉と一緒に登校する。

昨日は1日であいだけ仲良くなれたのと、今日一緒に登校するのが楽しみすぎてなかなか眠れんかった。

でもしっかり目が覚めて、いつもより気持ちのいい目覚めができたのは、間違えなく夢莉のおかげや。

しっかり身支度をして髪の毛を整える。

気合十分の朝や。



ピンポーン ピンポーン



「はーい!」

「お、おはよう、ございます!」

「あれ、たしか生徒会長さんやない?」

「は、はい!山本彩です!
よろしくお願いします!」


玄関から出てきたんは夢莉のお母さんらしき人やった。

すごく優しそうで素敵なお母さんやな。


「夢莉~生徒会長さんよ~」

「あ、すみません、笑」

「えーっと、彩さん?やっけ?
すっごく綺麗な方やね~」

「いいえ、そんな、、笑
さん付けも、、笑」

「あはは、そうよね~こんなおばさんにね~
うちの子と仲良くして頂いてありがとうね~今度はゆっくり遊びにいらっしゃい!!」

「あ、ありがとうございます!」


夢莉とは違ってすっごく明るい人なんやな。
いや、夢莉が暗いとかじゃないんやけど、こんなふうには喋らんかなって笑


「ちょっと、お母さん!!
彩さんに何をゆってんの?変なことゆうたら怒るかんね!!」

「な~んにも言うとらんわよ笑
はよ学校行ってきなさい!!」

「分かってるって!!行ってきまーす!」

「2人とも気をつけるのよ~」

「「はーい!!」」


夢莉は反抗期なんかな、、笑

可愛い、、


「彩さん?なんか嬉しいことでもあったんですか??」

「、え!?」

「いや、顔がにやけてたので、、笑」


しまった!

どうやら私は夢莉のこと考えると顔に出てまうらしい、気をつけなな、特に本人の前では、、


「何もないで?笑」

「そうですか?ならいいんですけど笑
それよりすみません!お母さん変なこと言うてませんでしたか?」

「全然!明るくて素敵なお母さんやな~」

「なんか昨日からテンション高くて、笑」

「そーなんや!」

「でもなんか言うてたらゆってください!」

「あーせやな、今度うち遊び来てなって言うてたわ笑」

「え!?」


めっちゃビックリしとるやん、、

やっぱ嫌よな、昨日知り合ったばかりの先輩を家に呼ぶとか。

言ったら誘ってもらえるかもって思って言ってみたけど、やっぱ言わなきゃよかったわ、、


「なーんてな笑
そんなビックリせんでも!大丈夫やって、押しかけたりせんからさ!!笑」


冗談ぽく言ってみた。
なんとか誤魔化せた?よな?


「、、いい、ですよ、、」

「え!?」

「お母さんが、ホンマに言うてたんかは分かんないですけど、、昨日、彩さん家に誘って貰ったとき、、いつかは自分家にもって思ったんで、、」


少し恥ずかしがりながらも言い終わったあとは、こっそり私を覗き込むように見てきた。

いや、可愛すぎやって!!!


「ええの?」

「あかんかったら言いませんって笑」

「ふふっじゃあ今度お邪魔するわ!」

「はい!!!!」

「めっちゃ笑顔やん笑」

「だって、そりゃ、まぁ、、」

「ん~何やねんそれ!笑
ほんまに夢莉はすぐ顔赤なんな、そんなやったらみんな勘違いすんで~可愛すぎやからな笑」


夢莉が顔を赤く染めてんのを見て、もしかしたら私なことを想ってくれてるんやないかって思った。

でも同性好きになるなんてそんなにおらんやろうし、それで両想いなんて都合良すぎる。

でもこの感情をどうしても伝えたくて、冗談っぽく言ってみた。

そしたら、、


「すぐに、、赤くなるのは、、その、
彩さんやからですよ、、、それに、、彩さんやって、、可愛いとかすぐ言うじゃ、ないです、か、、」

「!?
可愛いのは、事実、やし、、夢莉にしか言うてへんから、、それと、私やからってのは、、その、どういう、、」

「、、え!?
えーっと、、、特に、、深い意味はないです、よ?フフッ」

「で、でも、その、、」

「彩さんやって冗談ですよね??笑
そりゃ緊張はしますけど、彩さん先輩やし、みんなから好かれとるし、、だから赤くなるのかもですね笑」

「そ、そっか、、、」


もしかしたら同じ気持ちかもと思った。

やけど、やっぱりそう簡単にはいかない。

勘違いなんてして、勝手に振られて傷ついて、かっこ悪い。

こんなんやったら気づかなければ良かった。



この後はなんとなく気まずくて私は少し距離を置いて歩く。

夢莉も何かを察したのか、一言も喋らずただ隣を歩きバスに乗っているだけやった。

バスから降りたところで、朱里と梓ちゃんに会い、そこからは4人で学校まで行くことになった。

ほんまは2人で居りたかったし、これからも毎日一緒に登校する気やったけど、これ以上一緒に居ったらあかん気がした私は、この日を境に夢莉を避けるようになってしまった。


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