短編

□誕生日当日
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電車に乗る時、後ろから追いかけてきてた三田と成美も一緒やった。

ほんで家の最寄り駅に着いてからは家まで自分でも分かるくらいすごいスピードで走った。

信号で止まったとき、少し離れたところに三田と成美の姿が小さく見えて相当なペースで走ってたんやなって思った。

それくらい夢莉に会いたかったんや。



まだ5時やし、夢莉帰って無いかもとも思ったけど勢いよく玄関の扉を開けたら鍵はかかってなくて開いてた。

夢莉おるんかな。


リビングのほうから玄関へ向かってくる足音がした。


「え?彩ちゃん!!!」

「夢莉~!!!!!!」


夢莉を見た瞬間すんごく嬉しくて夢莉に飛びついた。


「おっと、、危ないよ?笑
てゆうかまおきゅんとなるは??
え、まだ5時やで??」

「うん、知ってる、2人も後から来ると思う。」

「彩ちゃん?なんかあったの?」

「、、、、」

「泣かんといてや、言うてくれな私分からん、ダメダメだね」

「夢莉はダメダメなんかやない、、ダメダメなんは私や。
せっかく三田と成美がお祝いしてくれるって言うてたんに、夢莉のことばっか頭で考えちゃうねん。なぁなんで今日お祝いしてくれんかったん?今日がに何の日か覚えとる?」

「え?今日?ニヤ」


なんか微妙に笑ってるけどでも今日が何の日かピンと来てない様子。

嘘やん、もう私のこと嫌いなん?

そう思ったときやった。



「彩ちゃん、こっちきて!」

「え?」


そう言って夢莉は腕を引っ張ってリビングの前の扉まで連れてきた。


「はい、1回目を瞑ってください」

「え?」

「いいからはやく!!!笑」

「う、うん」

「ちゃんと瞑った?じゃあ引っ張るから着いてきてね?
絶対ええよってゆうまで開けちゃあかんからね!!」

「わ、わかったって!」

「はい、ここに椅子があるからここ座って!」

「うん」

「じゃあいくよ?3.2.1.で目開けてね?笑」

「はい」

「3.2.1!!!」



「うわぁ~~~すごい!!!」


そこには私の好きな食べ物がずらりと並んでた。

部屋も可愛く飾り付けされていてなんか映えそうな感じ。

夢莉のこういうの得意やったっけ?笑
なんかセンスが朱理っぽいな~ってまさか!


「彩ちゃん、お誕生日おめでとう!!!」


パンパンパパーン

「はっぴばーすでーつーゆーはっぴばーすでーつーゆーはっぴばーすでーでぃあさやか〜はっぴばーすでーつーゆー!!」



夢莉がクラッカーと一緒に歌を歌ってお祝いしてくれた。

私は嬉しくて嬉しくて仕方なかった。


「夢莉~ありがとう~」

「寂しい思いさせてごめんね?サプライズしたかったんだ」

「ほんまに、めっちゃ寂しかったんやから!!
でもこっちもめっちゃ嬉しい~私幸せ!」

「そっか、ならよかった!!」

「夢莉!ありがとう!!!」

「うん!」



午前中はずっと萎えてたけどこんなサプライズ考えてくれてたって思ったらそんなのどうでもよくなってくる。

私って意外と単純?笑




ピンポーン


「お邪魔しまーす!!」

「ちょっと夢莉~私ら来る前にクラッカー鳴らすってどゆこと?」

「だって彩ちゃん可愛すぎて我慢できひんかってん笑」

「え、ちょっと待って!ここグル?」

「まぁ最初からって訳やないけどそんなとこです笑」

「てか凄すぎ!夢莉の料理食べたーい!」

「なるアカンで!これは私のために夢莉が作ってくれてんから!!」

「彩さんほんまに子どもみたいになりますね笑」

「うるさいな~」

「じゃあ食べよー!!!」

「せやな!」


夢莉、三田、成美が改めて誕生日会を開いてくれた。

三田と成美は私が飛び出してきた服屋さんで服を買って来てくれたらしくてそれを渡してくれた。

ずっと欲しかったやつやからめっちゃ嬉しかった。

そしたら夢莉の表情が少し曇った気がした。


「彩ちゃん、、私からもプレゼントやねんけど、その、、被っちゃった、」

「え?」

「私も洋服なんだよね」

「まじで?ごめん夢莉!」

「全然ええねん、けど、彩ちゃんが欲しいやつとか知らんかったから彩ちゃんの好きなやつかどえかも分からんし、、」

「ええよ、それがいい!
夢莉が私のために選んでくれたやつならなんでもいい!!」

「ふふっそっか笑」

「ちょっと、それは私らに失礼ですよ笑」

「あ、ごめん笑」


そういって夢莉が私にくれたのは夢莉が私のために作ってくれたお揃いのTシャツだった。

世界に2つしかない、夢莉と私しか持ってない服。

そう思うだけで幸せやった。


「夢莉~ほんまにありがとう!!
めっちゃ嬉しい~一緒にいっぱい着よな!!!」

「うん!」

「なんかこれ以上私ら居られんわ笑
そろそろ帰ろっか」

「え、もう帰んの?」

「うん、あとは2人で楽しんで!笑」

「えぇー私はもう少しさやゆーりを拝みたかったのに~」

「三田、空気読めよ笑」

「分かってるって!!
じゃあまたあとで聞かせてね笑」

「「はーい!!」」

「ピッタリすぎ笑」「尊い!」

「また遊び来てな?」

「はい!彩さん今日はほんまにおめでとうございます!!」

「ありがとう!」

「じゃあお邪魔しました~」

「気ぃつけてな~」


そう言って2人は帰っていった。



リビングには夢莉とふたりっきり。

いつもと変わらないはずなのになんか気恥しい笑


「彩ちゃん?」

「ん?」

「これから先もずーっと彩ちゃんの誕生日お祝いするから!勝手に予定入れて萎えたりしたら許さんよ?笑」

「えぇ~私が悪いの?笑」

「そゆ訳やないけど笑」

「夢莉、ほんまにありがとう!!」

「うん!!」

「あ、そうだ!!
夢莉がくれた服着て写真撮ろうや!」

「そうやね!」


服着替えてたくさん写真撮って、これでもかってくらいに食べまくった。

夢莉が沢山作ってくれてたから余っちゃったけど、明日と明後日も一緒にここで生活するんだから、その時に食べればいい。


「ねぇ夢莉?」

「ん。どしたの?」

「約束守ってね?これからも私の誕生日お祝いしてくれるってやつ!」

「それはもちろん!」

「他の人んとこ行かんでよ?」

「彩ちゃんがね笑」

「夢莉~好き~」

「私は大好きやで~」


そう言って夢莉は私の頬っぺにキスをしてくれた。

ほんまにほんむに幸せな誕生日になりました。



皆さん、これからも末永く、私たちのこと見守っててくださいね笑


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