東方幻絵巻

□夢と幻
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そして翌日、どうしてこうなったか教えて欲しい。


幽々子「スー……スー……」


取り敢えず状況を説明しよう。
夜、俺は部屋に布団を敷いて幽々子を寝かせ、柱に寄り掛かって寝ていた……筈だった。
ところがどうだろう。
俺は柱に寄り掛かって寝ていた、それは間違いでは無い。
だが幽々子は布団に寝ておらず、俺に寄り掛かって寝ていた。オマケに俺の腕をがっちりと抱えている。
助けてくれ、いや本当に。このままだと本当にマズイ、色々マズイ。
妖花なんかが来てみろ、即行で斬殺刑モノだよ?そして何よりも俺と言う存在がヤバイ。今この瞬間にでも襲ってしまいそうd………イカンイカンイカン!!
畜生!腕さえ自由なら今にでも抜け出せるってのによぉ!


幽々子「んぅ……」


あれこれ心の中で叫んでいると、幽々子が寝惚けながらも目を覚ます。
よし、これで勝つる!急ぎ脱出を…


幽々子「……あと……もう少し……スー……スー……」


神無月「……」


寝言だったのか、そう言って再び眠ってしまった。
じゃねぇだろぉぉぉぉ!!どうすんだコレ!?また深そうな眠りについちまったぞオイ!
これじゃ……まるであの時を再現してるみたいだな…


白雷「幽々子様〜、朝の支度が整いましたよ〜」


廊下の方から白雷の声が聞こえる、そして足音は確実にこちらに向かって来ている。
どうやら俺は助かったらしい…
だがその考えは甘かった。

障子が開き、俺は直ぐ様白雷に助けを求めようとするが…


白雷「幽々子s…………………///」


神無月「あ、白雷、ちょっと手伝っt」


白雷「お、お取り込み中失礼致しました!」


スー パタン


神無月「……」


……希望は今潰えた…そしてこの先に俺を待つもの、それは『死』だ。


妖花「幽々子様ー、朝の支度が整いましたよー」


そして刻々と迫る死刑執行者の足音、俺は今この瞬間も死の危険に晒されている……やはり残された道はこれしか無いようだ…申し訳無い!


妖花「幽々子様、失礼しまs」


幽々子「あたっ!……んー…」


妖花「幽々子様!?何故そのような所に…」


幽々子「え、あれ……神無月は…?」


妖花「? 私が来た時にはここにおりませんでしたが……と言うよりここにいたんですか!?」


幽々子「ち、違いますよ?その様な意味ではありませんからね?」


妖花「そ、そうですか?まぁ……幽々子様がそう仰られるのであれば……依頼を受けられたのでは?」


幽々子「……そうですね…(本当に…何処へ行かれたのでしょうか…?)」


…………………………
……………………
………………


〜???〜


神無月「はぁ……危なかった…」


あのままあそこにいたらどうなっていたかは想像したくもない…
どうやってあの場から脱出したか……それは『神眼』の能力を使ったからだ。
神眼は空間を繋ぐだけでなく、空間移動の力を兼ね備えている。
さっさと使えば良かっただろうと思っている人もいるといるだろうが……多分と言うか絶対頭ぶつけたぞ?幽々子。瘤になってないか心配だ…


神無月「つーかここ何処だよ…」


?「夢幻世界よ」


神無月「ほー…それはそれは……っ!?」


女性の声が聞こえたと思ったら、次に感じたのは殺気と魅魔達によく似た力、『魔力』…
直ぐ様そこから離れると、俺がいた場所に魔力で出来た槍が幾つも刺さっていた。
全く、今日は厄日だな…
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