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□FT short
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ギルドのカウンターに何をするでもなく座っていたルーシィはこちらに向かってくる足音に気づき振り返る。そして思わず声を上げた。

「レイナさん!すっごく可愛い!」

いつもレイナは外見に気を使っているのが感じられるが今日は一段と可愛らしい。

「もしかしてラクサスとデートですか?」
「そうなの。久しぶりだから張り切っちゃって」

顔を赤く染めながら恥じらうレイナは同性のルーシィから見ても素敵だった。でも、デートなら何故ギルドに?と浮かんだ疑問はすぐに解消される。

「ミラちゃん、これ昨日行ってきた依頼の報告書。お願いします。」
「はーい。ありがとう。あらあら、デートかしら?」

報告書を提出にきたようだ。ギルドの入口を見ればラクサスがいる。このまますぐに出かけるのだろう。なるほどとルーシィは一人得心する。
一方で、ミラにからかわれたレイナは顔を先ほどよりも真っ赤にしていた。張り切りすぎたかしらと、真っ赤な顔で自分の服を不安そうに見つめる。ルーシィがフォローをしようと口を開いた瞬間

「なにしてんだ。早く行くぞ」

先程までギルドの入口にいたはずのラクサスがルーシィよりも先に声をかけた。

「あっ、ごめんなさい。すぐ行くわ」

眉を下げて謝るレイナの顔色は普段通りに戻っていてルーシィは安心する。揶揄ったつもりはなかったのだが自分の言葉で彼女が今日のデートを満喫できなかったとしたらそれはとても申し訳なかった。

「おい、どうした?」

ラクサスが怪訝そうに眉をひそめてレイナに問う。目をぱちくりとさせた彼女が何にもないと言うと、不機嫌そうにしたラクサスが言うまで逃がさないといった風に目線で咎めた。困ったように笑ったレイナが大したことじゃないんだけどねと前置きしてから話し始める。

「今日の服装変じゃないかなって。一度気にしたら落ち着かなくなっちゃって」

ごめんなさいと言ったレイナがこの話は終わりだという風にギルドの入口に向かって歩いていく。ルーシィはラクサスが自分には感じれなかったレイナの些細な変化を読み取ったことをそこで理解し思わずラクサスの顔を凝視した。その視線を受け流しレイナの腕を掴んで引き留めたラクサスがもう片方の手で頬を撫で口元を彼女の耳にそっと寄せて








「ラクサスなんて言ったのかしら」
「さぁ?」

二人が出ていったギルドの入口を見つめながらルーシィが先ほどの二人の様子を思い浮かべる。ラクサスになにか囁かれた瞬間に耳の先まで真っ赤にして顔を抑えたレイナは、声にならないような呻き声を漏らしていた。それを見て満足そうに喉を鳴らしたラクサスがレイナの腰に手をまわしてギルドを出ていったのだ。

「なんだか盛大に惚気られた気分ね」
「ああー!私も彼氏欲しいー!!」
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