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□Incredible!
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事件は無事に終わった。
後処理やらで慌ただしくて陣平と顔を見せることがなかったのが救いだった。
家に帰ってベッドに飛び込む。ご飯をたる気力も風呂に入る気力も残っていなかった。携帯を取り出して陣平の連絡先を選ぶ。メールを見た瞬間は怒りが湧き上がったが今は虚しさしかない。よく良く考えれば、彼の気持ちが私にないのはもう分かっていたのだ。ただもう新しい人を好きになっていたなんて。それなら早く私から解放してあげないと。彼は浮気をするような人じゃない。死ぬ間際だったから悔いを残したくないとああいうメールを送ったんだろうが本来は誠実な人だ。私がいると佐藤との関係がうまく進まない。それに爆弾魔は逮捕された。私が支えていく必要も、無茶をしないよう見ておく必要も無い。今となっては支えれていたのか、てんで怪しいが。

「別れよう」

これだけの言葉を送信する。どうせ肯定の返事しか返ってこないだろうメールを見たくなくて陣平のアドレスを削除した。涙が溢れて止まらない。ああ、メイクも落としてないし明日の顔は酷いだろうなと思いながらも何も考えたくなくて眠りについた。


朝起きたら目は腫れてるし肌はボロボロで酷いものだった。泣きすぎて頭も痛い。シャワーを浴びて泣いたことを悟られないように化粧をする。昨日の晩も食べてないんだからと思うが食欲は湧かず朝ごはんは抜いた。

デスクに向かう。昨日終わりきらなかった書類の山を見てため息をはいた。席につこうとした瞬間に陣平に、いや松田くんに腕を掴まれる。

「なに?はなして」
「おい、昨日のメールはどういうことだ」

私の訴えを無視して静かに怒った松田くんが私を責める。なんで怒ってるんだろう。一言だけというのはあまりにも素っ気がなかったから?それともフラれたことが気に食わないんだろうか?彼はモテるから、フラれたことなんてないのかも。それに、あんな事件があった直後っていうのも間が悪すぎたかな。でも、私と別れて困るどころか喜ぶと思ってたのに。それにこんなことして佐藤に勘違いされたらどうするつもりなんだろう。

「どうもこうもないよ。そのまんまの意味でしょ。」
「今までの態度は悪かった。俺も余裕がなかったんだ。」
「離して。ここ職場よ」

周りに注目されていること気づいた松田くんがわりぃとだけ言って自分のデスクに戻っていく。
佐藤がこっちを見ていた。
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