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□Incredible!
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爆弾処理班を手配し、特殊犯係と連携をとった。FAXの送られてきた場所を特定する。佐藤と連絡をとり、暗号の内容を聞く。犯人は4年間何故捕まらなかったのか呆れるぐらいにすぐ特定された。今までカウントダウンを真に受ける人が私や陣平しか居なかったことがむしろ良かったのか警戒もせず間抜けにもコンビニで予告状を送り防犯カメラに顔が映っていたのだ。
また観覧車がよく見える位置で双眼鏡をかまえる怪しい人物が報告されていて、防犯カメラに映る人物と顔が一致したということで逮捕された。犯人が爆弾を停止させる術を持っていたのでその場で爆弾のタイマーを停止させる。が、本命の爆弾を仕掛けているところを頑として吐こうとしない。
とにかく陣平が心配なのでそちらは他の人にまかせて観覧車のほうに向かう。携帯を見ると陣平からメールが入っていたので、走りながら読む。
「今まで悪かった」
と一言だけ。どういうことだろうかと考えていると観覧車の下についた。佐藤が何故か泣いている。
「何があったの!?」
陣平によくないことが起こったかと思うと声が大きくなる。目暮警部が説明してくれたことによると彼は爆弾と心中しようとしていたらしい。サッと血の気が引く。なんでもあと一秒も遅ければ爆発するところだったというのだ。先程のメールは最期の言葉のつもりだったのか。それに時限装置は外れていても水銀レバーのせいで彼は今も丸腰で爆弾と対面中だ。心臓が痛いくらいに脈打つ。
「これ松田くんからのメールです。もう一つの爆弾の在処が書いてあります」
立ち直ったらしい佐藤に彼が自分の命と引換ようとした情報が書かれたメールを見せられる。お礼を言いながら携帯を受け取って、ふと違和感を感じた。爆弾の在処を書いただけのメールかと思ったが空白の下に何か書いてあるようなのだ。悪いとは思いつつこっそりと下のキーを押して内容を見る。そこには
「あんたの事わりとすきだったぜ」
と書かれていた。
「なにこれ」
「どうしたんですか?」
佐藤に聞かれるが勝手に見たことがバレるのもバツが悪いし、佐藤は私が彼と付き合っているのも知らないだろう。何より今は勤務中で爆弾が今も一つ仕掛けられている。
「ううん、何でもない。これ、ありがとう」
彼からのメッセージを見たことがバレないように上にもどしてから返して、私はもう一つの爆弾の在処が分かったことを連絡するためにその場を離れた。