進撃 ティアドロップ

□衝撃
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翌朝。


起床の鐘が鳴る前に身体を起こした。


「全く眠れなかった.....」


目を瞑るとハルさんの声を思い出し、寝るどころじゃなかった。


気まずいな...出来れば会いたくねぇ。


ハルさんと出会ってから、こんな感情初めてだ。


しばらくして、起床の鐘が鳴る。


「はぁ.....」


重い腰を上げ、ベッドから立ち上がるとクラリと頭が揺れた。


寝てねぇからな...。


それでもなんとか洗面所に向かい、顔を洗うと兵服に着替える。


決められた時間が近くなり、兵長の執務室に向かった。


朝も早い為、あまり人とすれ違わない。


.....いつもなら。


「エレン、おはよう」


「おっ、は、ようございます...」


よりにもよって今1番会いたくねぇ人と会ってしまった。


「これからリヴァイの部屋に行くの?」


「はい」


「そっか」


「ハルさんは...」


「ん?」


やめろ、聞くな。


聞いてそれで、望んでねぇ答えが返って来たらどうする。


第一あんな場面に居合わせて、望む答えなんてねぇだろ...!


「昨日.....兵長の部屋に行きました?」


聞くなよ、俺...!


「え?

行ってないよ」


「そう...ですか」


そう、あれは人違い。


人違いだ。


たまたま同じ名前の人が居ただけだ。


ハルさんは関係ねぇ。


そう考えて、俺を安心させようとした。
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