進撃 ティアドロップ

□好きです。
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他の104期訓練兵が正式に入団してから3日経った今日。


天気は快晴で絶好の訓練日和。


そんな日も俺は憧れの兵長の隣で、あの人のことを考えていた。


名前も知らない、一目惚れをしたあの人。


俺は仮に名を「シズクさん」と呼んでいる。


由来は安直で、その人がいつも身につけているペンダントが雫の形をしていたからだ。


あの人は誰で、今頃何をしているんだろうか。


「.....い.....ン.....」


思考を邪魔される。


「お.......レ.....」


せっかくあの人のことを考えていたのに。


邪魔するな。


「おい.......エレン」


「チッ...そう何度呼ばなくても分かって.....あ」


目の前には、俺を見つめる兵長の顔。


そして同じテーブルに座っているリヴァイ班の人達。


「あ、いや、すみませ!」


やってしまった...。


どんな理由があれ、あのリヴァイ兵長に舌打ちしただけじゃなく暴言まで吐いてしまった...。


「ほぉ...。

それは俺に対して言っているのか?

なぁ、エレン」


「ひっ...」


兵長の目が怖い...!


これはまた審議所の時みたく蹴られるか...?


「.....お前ら、話は終わりだから仕事に戻れ」


「「「はい!」」」


そそくさと他の人達が退出して行く。


その流れに乗じ、俺も身を屈めて出て行こうとするが...。


「待て、エレンは残れ」


...そう簡単に兵長の目を誤魔化せる訳なかった...。
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