排球 女王と月

□顔面レシーブ
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「ねぇ」


ちょうど横を通りかかった男の子を呼び止めた。


「え、はい?」


ヒョロッとしたソバカスの、頼りなさそうな男の子。


「私の席どこか知ってる?」


「えぇ、と…名前は?」


「柏木波瑠」


「あ、じゃああそこだよ。

ツッキーの隣の席」


教えてくれるのは助かるけど、そもそもツッキーって誰?


「案内するよ、来て」


パッと手首を握られてしまった。


意外と行動に移すタイプなんだ。


「ここね」


「ありがとう。

ついでにその手も離してくれると助かるんだけど」


「え?あ!ごめんっ」


「別に」


はぁー…と机に突っ伏す。


「呑気だね」


隣から聞こえた男の子の声。


「煩い。

てか君誰?」


「あ、あぁー。

彼女は柏木波瑠さん。

で、こっちがツッキー…じゃなかった月島蛍。

俺は山口忠、よろしくね」


「それなりにね」


「僕は嫌だけど」


「うぅ…。

似た者同士だ…」
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