進撃 ティアドロップ

□権力者
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翌朝。


目覚めると、朝の生理現象に悩まされた。


「またかよ...」


なんとかならねぇかな、これ。


仕方なくまた抜く。


日に何度抜けば良いんだよ...。

















「おはようございます」


兵長の執務室に顔を出す。


「あぁ」


始業時間より早く行ってるのに、兵長はいつも先に居る。


まぁ兵長が居なかったら部屋ん中に入れねぇんだけど。


「兵長っていつも何時頃から居るんですか?」


「さぁな」


興味が無い、というように紅茶を口にした。


見かけに寄らず真面目なのか?


「エレン、書類配達出来るか?」


「あ、はい」


「各隊長のところへ持って行け。

ルゥの部屋には行くなよ、居ねェからな」


「え?」


なんで兵長が知ってんだ?


「お前も聞いたんだろ?

今日はあいつの恋人の命日だ。

いつも月命日には休みを取ってる」


「そうなんですか...」


ハルさんの中に、恋人の影が大きく見える。


やっぱりまだ凄ぇ好きなんだろうな。


俺が入り込む余地、ねぇんじゃねぇのか...?


キリリと胸が痛む。


「.....だから、あいつはやめとけっつっただろ」


「やめとけって言われてやめれたら、どんなに楽か...。

あ、すみません!」


好きになっちまったら、止められねぇ。


その人に好きな奴が居ても振り向かせてぇって思っちまう。
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