排球 女王と月

□消失
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中学校での部活の集大成、3年最後の中総体。


その決勝戦、私は本気を出してプレーしていた。


…私だけがチームで戦っていると思っていて、実際は私1人とその他のチームメイトで戦っていた。


鋭いサーブ。

安定したレシーブ。

高いブロック。


少なからず、戦力になっていると思っていた。


予選決勝戦が始まってすぐ、ピーッと笛の音が鳴り響いた。


チラリと目を向ければ、1番の札を持った後輩が立っている。


交代…。


どうして始まったばかりのこの時に。


私は別に調子が悪くはなかった。


「…」


納得がいかないながらもその札を受け取り、コートを降りた。


「柏木。

皆が皆、あなたのような技量を持っている訳じゃないのよ」


顧問の冷たい声が聞こえる。


そんなの知ってる。


人それぞれだって分かってる。


「あなたが先頭を走れば。

着いて行く者は息を切らし、倒れる者も出るの」


結局、何が言いたいのだろうか。
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