進撃 ティアドロップ

□ジュエル
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なんか兵長に怒られるし、帰ろうかと後ろを向いた。


「こーら。

エレンをいじめないの」


「ハルさん...!」


「煩ェな...」


お盆の上にティーポットと、カップを2つ乗せたハルさんが立っていた。


「好きなところに座って良いよ」


そう言われても、座る場所なんて兵長の隣か前しかねぇ...。


「エレン、今日は休みの筈だろ。

なぜここに居る」


兵長に睨まれ、言葉に困る。


「私の仕事が終わったら出掛けるのよ、一緒に」


視線を忙しなく動かし、困っているとハルさんが口を開く。


「またか...。

酒の量には気をつけろよ。

酒癖が悪ィからな」


「今日は飲みませんー」


「酒癖が悪いって、あの甘えた状態が...ですか?」


悪いっつーか、可愛いけど。


「あ?

お前前に酔ったこいつ部屋まで送って何もなかったのか?」


「へ?」


何もってなんだ?


兵長の時はなんかあるのか?


「リヴァイ、良いでしょ過去のことは」


「良くねェ」


「教えてくださいよ。

もっとハルさんのこと知りたいんです」


「エレンてば...。

もう、ほんとに大したことないから気にしないで?

リヴァイも、もう忘れてよ」


「無理だな」


キッパリと言い切る。


ハルさんの酒癖って甘えるだけじゃねぇのか?


「こいつは酔うと所構わず盛る」


「ちょっ...」


「え...?」


今兵長なんつった?
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